2004年02月06日

Effective C++ 改訂2版 175ページ

 William Dementの著書『Some Must Watch While Some Must Sleep』(W. H. Freeman and Company, 1974)の中に、次のような挿話がある。彼は自分の講義の中でも最も重要なことを学生たちに教え込もうと努力していた。「こういう話がある」と、彼は学生たちに講義した。「英国の平均的な生徒たちは、ヘイスティングスの戦いは1066年、ということのほかに、歴史についてほとんど何も覚えていない。もし子供が何かほかのことを覚えているとしたら、それは1066年の日付だというのだ。しかし私の講義では、重要なメッセージはほんのわずかしかない。たとえば、睡眠薬を飲むと不眠症になるという非常に興味深い事実もその1つだ。」彼は学生たちに、たとえ講義で話したほかのことはすべて忘れても、そういった非常に重要な事実だけは覚えて欲しいと訴えた。学期を通じて何度もそういう基本的な話に戻り、それを繰り返して訴えた。
 講義が終了し、期末試験となった。試験の最後の問題は、こういう質問だった。「講義の中で、あなたが生涯忘れないと思ったことを1つだけ書きなさい。」Dementは、採点にかかろうとして肝をつぶした。ほとんどすべての答案用紙に「1066年」と書かれていたのである。

Posted by hajime at 2004年02月06日 21:56
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