音夢EDを見た。
G'sマガジンの人気投票で、ことり>音夢の理由がよくわかった。平均的ギャルゲーマーから見れば、音夢よりもことりのほうが、「好きなキャラ」に選びやすい。
だいたい、病弱という設定が有力だと思われるようになったのは、いつからなのか。私の知るかぎり、「同級生2」の桜子の人気は大したことがなかったし、シスプリの鞠絵の人気もあのとおりだ。病弱の雄といえばもちろん「With You」の伊藤乃絵美だが、出番の少なさを思い出していただきたい。
私見では、病弱というのはボーイッシュや眼鏡と同様、下位打線の設定である。クリーンナップに持ってくるべきではない。乃絵美にみられるように独特の爆発力があるのは確かだが、クリーンナップに必要なのはもっと別のものだ。
話を戻そう。ことりのほうが音夢よりも、「好きなキャラ」に選びやすい――実際に魅力を感じたかどうかとは別に。
音夢は、選ぶことができないものとして、主人公の前に現れた。主人公は、音夢を選んだというより、音夢に適応したというほうが当たっている。この「選ぶことができない」という前提が通るときにだけ、音夢は魅力を発揮できるのだ。G'sマガジンのアンケート葉書を書いているときのユーザは、まさに選んでいる。
「選ぶことができない」という前提は、ADVという形式とも相性が悪い。選択肢を選んでいるのに、選ぶことができないとは何事か。「痕」をまねて選択肢をなくすという手口もあるが、それもしていない。
音夢というキャラで目指したものは理解できるが、ゲームの完成度という観点からは、大いに疑問がある。