2008年04月10日

悪の敵≠善の味方

 ブッシュ大統領が「悪の枢軸」というレトリックを使ったとき、私はすかさず「善の連合」という言葉を思いついた。
 「善の連合」。被害妄想が昂じてイラクを破壊したあの馬鹿の国は、おそらくこの連合の一員ではないだろう。
 教訓――「自分は悪の敵だ」と主張する輩は疑ってかかれ。敵の敵は味方ではない。
 
 悪の敵主義者が好んでとりあげるネタは、以下の3つだ。
・異教徒
・子供
・未開人
 「異教徒がアルカイダに感染する!」「子供が有害情報に感染する!」「未開人が共産主義に感染する!」。これが悪の敵主義の決まり文句だ。無力で善良で愛すべきだが言葉の通じない隣人がいて、その隣人を守るために悪を倒さなければならない、でなければ悪に感染した隣人が我々を襲うだろう――という構図を彼らは描く。
 この構図のなかには、愛も理想もない。守るべきものとしてネタにされている当の異教徒・子供・未開人が共感できるようなものが、まったくない。

Posted by hajime at 2008年04月10日 00:06
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