科学鑑定はときどき発狂する。歴史的にはドレフュス事件の筆跡鑑定が有名だ。このときは鑑定者が再審の法廷で狂気を露呈したので、ドラマチックな見ものになったらしい。
最近の日本では、一昔前の科学鑑定が発狂していた。足利事件と飯塚事件のことだ。飯塚事件ではDNA鑑定だけでなく、「微繊維」(当時の報道の表現)なるものも登場した。
足利事件では、DNA鑑定を行った技官を再審に引っ張り出そうとしているらしい。ドレフュス事件の再現が見られるか(大穴)、あるいは公安式のやり方をして証人を出さないか(本命)、はたまた謎の自殺を遂げるか(対抗)、注目していきたい。
一番燃える展開は、発足直後の民主党政権が「証人尋問に応じるように」と口出しし、公安式に逃げる予定だったのを逃げられなくなって謎の自殺、というところか。この程度のことなら政権交代に期待してもいいだろう。