最近、DoubleClick Ad Plannerというものを知った。ビジターの多いサイトのドメイン名を入れると、年齢・性別・学歴・世帯収入などが表示される。その信憑性には一定の留保をつけなければならず(後述)、絶対値としてはあまり参考にならないが、サイト同士を比較するには役に立つ。
まず、「信憑性には一定の留保」というのは、たとえば下の画像をご覧いただきたい。
これはyahoo.co.jpの結果である。
世帯収入10,000,000~11,990,000円のところに不自然な突出がある。ネットサービスのアンケートに「年収1000万円」と回答する輩がこれくらいいる、というわけだ。こういう露骨な嘘ばかりではなく、何割か多めに回答する人も多いだろうから、絶対値としては鵜呑みにできない。
「年収1000万円」の突出はだいたいどのサイトでも、yahoo.co.jpと同じくらいの大きさを示す。年収で見栄を張るのは男ばかりかと思ったら、そうでもない。
stackoverflow.com:
shogi.or.jp:
cosme.net:
見事に安定した数字だ。
次に、下の図がなんのサイトかおわかりだろうか。
アダルトビデオ専門サイトの最大手(推定)、dmm.co.jpのものである。yahoo.co.jpと比較すると、300~500万円の層が大量に0~300万円に移っているほかは大差ない。この移動現象をどう見るべきかは難しいが、若年層の多さは影響を与えているだろう。たとえばshonenjump.com:
でもやはり移動現象が起きている。これも信憑性を留保すべき点だろう。
さてようやく本題に入る。
上の2つと下の図を見比べていただきたい。
どの角度からどう眺めても、こう判断するほかないだろう――震え上がるほどの貧困の塊、と。
この図は、エロゲー通販専門サイトの最大手(推定)、a.sofmap.comのものである。
これほどの貧困の塊を相手に、よくもまあ商売をしているものだと驚きあきれる。市場規模が7年前(最盛期近辺)と比べて半分以下に縮小するのも当然どころか減少幅が少なすぎて疑わしい。この貧困ぶりについては稿を改めて論じるかもしれないが、さまざまな視点から広く話題にしていただきたいところだ。
だがこの戦慄すべき図にも、ひとつだけ、いいところがある。
「年収1000万円」の突出をご覧いただきたい。統計的に有意なデータが集まっているサイトで、この突出がこんなにも小さいサイトは、ほかに見つけることができなかった。