ビデオゲーム
平和で豊かな国、フロルエルモス。しかしここにも債権と債務があり、担保があります。
パルフェは、たった一人の家族だった母親をなくしたばかりです。小さな魔法店を相続したのですが、そこは借金の担保になっています。一年以内に借金を返済しないと、魔法店は人手に渡ってしまいます。パルフェは身を粉にして働きます。
不幸にめげずはりきるパルフェにやたらとかまうのは、元クラスメートのレネットです。パルフェに自分を意識させたくて、憎まれ口を叩いたり、美人コンテストで張り合ったり。
レネットの妹のココットは、少女まんがが大好きです。ちょっと変わった少女まんがを読んでからというもの、パルフェにときめいてしまう今日このごろです。
パルフェの親友のフローレは、体が弱く物静かで、花を育てるのが大好きです。いつも優しくパルフェを見守り、励ましてくれます。
声優と原画に実力者を揃えた、本格派のギャルゲーです。PC用ゲームでは、十八禁でないギャルゲーは営業的に厳しいといわれますが、そこにあえて挑戦した意欲は注目に値します。
続編として、『お花畑のフローレ』『ハートフルメモリーズ』が出ていますが、いずれも百合ではありません。
『リトル・ウィッチ パルフェ』では、レネット、フローレ、ココットの三人を攻略できます。百合に求められるものをバランスよく配合した組み合わせです。
それぞれ百合の分量はほどよい程度、思想的にはやや古めかしいものですが、手堅く萌えられます。
いっぽう、『リトル・ウィッチ レネット』では、攻略できるのはパルフェだけです。少数精鋭というわけで、『リトル・ウィッチ レネット』の百合は、きわめて濃厚です。
告白シーンは当然あります。何度もデートします。何度もキスします。セックスします。結婚します。さすがに子供はできません。
物量作戦は、不細工ではありますが裏切りません。たとえ萌えなくても、驚きのためにモニターに目が釘付けになります。
お手本としてみる場合、物量作戦の例として以外には、あまり役に立たないようです。『あやかし忍伝くの一番』と思想的に似通っているので、比較対照することで、なんらかの有益な考察が得られるかもしれません。
工画堂スタジオ(くろねこさんちーむ)
PC用 1999年4月28日発売
『リトル・ウィッチ レネット』
PC用 1999年9月23日発売