攻守交替です。
いままでは、私たちが皆様をお待たせしていました。これからは、私たちが皆様をお待ちします。ビッグサイトで、秋葉原で、日本橋で、皆様をお待ちします。
だからといって、急がないでください。
私たちは急ぎませんでした。惜しみなく贅沢に、皆様をお待たせしました。ですから皆様も、たっぷりと時間をかけて、私たちの作品を値踏みしてください。
私たちには自信があります。 |
広告では、「マスターアップ」という言葉は使うべきではない。同人以外の出版物の広告で、「入稿しました」とは言わない。「マスターアップ」も「入稿」も、完全にメーカー側の言葉だ。ユーザにとっては、用があるのは製品だけで、製造や流通のことなど興味の埒外にある。
使うべきでない言葉を使ったのだから、当然ながら仕掛けがある。
Webサイトという媒体の距離感は独特だ。TVはつけっぱなしにできるので、CMをみても、「自分が積極的に関与してこのCMを見ようとした」とは感じない。ポスターにしろ新聞広告にしろ、それは変わらない。
が、Webサイトは、見るためにクリックが要る。どんなに軽い気持ちであっても、積極的な関与がある。それが狙いだ。
ユーザの積極的な関与があるので、「ユーザが製品を待っている」と仮定することができる。待っているのなら、「どこまで近づいているのか」という情報にも意味がある。
しかし「マスターアップしました」だけでは、メーカーとユーザがつながらない。「待つ」という動作を強調することで、共感を生み出す。
暑苦しい手口ではある。が、マスターアップ寸前の開発現場に比べれば、まるで南極のようにクールだ。 |