人生に必要な技術

物語・
登場人物の紹介

2004年8月3日:
 画像を製品のものに入れ替え
2003年9月15日:
 ボディコピー
2003年9月11日:
 キャッチフレーズ
2003年9月8日公開

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各編の紹介:

海の底の廃墟
希望入りパン菓子

キャッチフレーズ

作品中から抜粋

これは図書室の物語。

坂上 冬子

声:梨本 悠里

「あと、藤島が本当に
嫌なことはしない、
と思う」

彼女は平凡な人間だと思う。
美人だという。学校にあまり真面目に通わないという。救急用品をいつも持ち歩いている、という。果ては、付き合っていた男を自殺させたことがあるという。
こうして並べてゆくと、彼女が生きている世界の、あまりの小ささに、ため息が漏れる。
だから坂上冬子は、鍵を集める。
鍵を手に入れるたびに、自分のための扉が増えるような気がして。

「本当は私が
うらやましいくせに」

こんな姿をしているが、高校生だ。
少女まんが家・刑部真芯の描く主人公の姿は時として、年齢のわりにあまりに幼く、小さい。たとえば恋人の男と並ぶと、頭のてっぺんが男のウェストにやっと届く、というような。これは、客観的な外見を表現したものではない。作品の根源的な要請にもとづく、幻想的な表現だ。
同じ要請にもとづいて、藤島智佳子はこんな姿をしている。
心の切っ先が、痛々しいまでに鋭く。
傷つくことを恐れることを、恐れている。

藤島 智佳子

声:紅月 ことね