海の底の廃墟

物語・
登場人物の紹介

2004年8月3日:
 画像を製品のものに入れ替え
2003年9月11日:
 キャッチフレーズ
2003年9月8日公開

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各編の紹介:

人生に必要な技術
希望入りパン菓子

キャッチフレーズ

作品中から抜粋

これは寄宿舎の物語。

酒々井 乃里子

声:桜華 春日

「忘れさせるって、
どうやって?」

悪女である。
周の幽王の寵姫・褒姒は、幽王がどれほど躍起になって手を尽くしても、けっして笑わなかったという。幽王はなぜ、そんな女に入れ揚げたのか。
褒姒は、笑いを拒むことで、「この世界は退屈な場所である」と主張した。この主張は、幽王の不安そのものだった。褒姒を笑わせようと躍起になった幽王は、実は、自分自身の不安を打ち消そうとしていたのだ。
幽王のこの努力は、空回りを運命づけられている。たとえ努力が実り褒姒が笑っても、幽王の不安は消えない。
酒々井乃里子は、褒姒のように、空回りの軸、不安を映す鏡を、差し出す。
悪それ自体はなにもしない。悪を行うのは人である。この意味において、酒々井乃里子は悪女である。

「乃里子さん、
あたしのこと好き?」

一心。ふたつの心を持たないこと。
つらい思いをすることを、「心が引き裂かれる」という。だから人は、先回りして、あらかじめ心をふたつにしておく。ポートフォリオのように、危険を少なくする。
坂本みのりは、賭ける。心をふたつにして、気持ちを薄めたりしない。
だから、彼女の幸せを、心から祈らずにはいられない。

坂本 みのり

声:梨本 悠里