2004年12月06日

廣松渉『今こそマルクスを読み返す』

 マルクスの主張のあらましを紹介した本である。紹介といっても、単語が文学的に凝っているので、廣松ファン以外にはあまりお勧めできない。
 資本論にかなりのページを割いている。いま資本論を紹介するとなると、どうしても先回りして言い訳したくなるものだが、そういう言い訳を一切やっていない。へたに言い訳しようとすると、カバーすべき範囲があまりに広すぎるという事情もあるだろう。
 が、どう考えてもやはり、「燃焼とはフロギストンが物質から放出されることである」というような話をフォローなしに繰り広げても面白くない。いま資本論を紹介するとしたら、転形問題に踏み込むか、限界効用で切るか、どちらかをしないと話にならないような気がする。esbooks

Posted by hajime at 2004年12月06日 00:48
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