作家人気番付の仕上げなどにかまけていたら、2号分溜まってしまった。今回は第21号のレビューである。
・車谷晴子『危険純愛D.N.A.』連載第4回
あらすじ:彼氏役(千尋)に惹かれながら避ける主人公(亜美)。
つなぎの回。無難につないでいる。
採点:★★☆☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第3回
あらすじ:学園祭の実行委員を押し付けられた主人公(つばき)。うまくいかないので彼氏役(京汰)に頭を下げる。
表紙の意味がわからない。主人公の衣装はなんなのだろう。
採点:★★☆☆☆
・千葉コズエ『ぎゅっとしてチュウ』新連載第1回、以前の読み切りの続き
あらすじ:主人公が彼氏役に告白、つきあいはじめる。
間合いがいい。
主人公の一人称が自分の名前なのは、さすがにやりすぎだ。
採点:★★★★☆
・悠妃りゅう『こい・すた』連載第3回
あらすじ:主人公(雫)が彼氏役(空)に告白したが、「俺は女を信じねえ」とふられる。それでも空を追いかけていたら、いいところを見せる機会に恵まれて恋仲に。
展開が直線的すぎる気がする。
採点:★★☆☆☆
・池山田剛『うわさの翠くん!!』連載第28回
あらすじ:当て馬(カズマ)のアピールタイム。敵役のチームとの試合が始まる。
カズマの扱いを見ていて、ふとあだち充『みゆき』のことを思い出した。冒頭からしばらくは、鹿島みゆきと若松みゆきのどちらと結ばれるのか、ストーリーだけではよくわからないが、コマ数を数えると倍くらい若松みゆきのほうが多い。「本命一直線、当て馬なんか知るか」といわんばかりの態度に男らしさを感じた。
対してカズマと彼氏役(司)の扱いには、「彼氏役は彼氏役として、当て馬は当て馬として」という役割の振り分けを感じる。お前(主人公の翠)は二人の上司のつもりか、と言いたくなる。
採点:★☆☆☆☆
・水瀬藍『37℃のボーイフレンド』新連載第1回
あらすじ:主人公が通りすがりの男に言い寄られて逃げ出したあと、友達の彼氏を紹介されてみたら、さっきの男だった。そのあと再び言い寄られる。
故障したエレベーターに閉じ込められている最中に言い寄られたら、相手が何者であれ、怒りしか沸かないような気がする。
構成がごちゃごちゃしている。鷹臣の位置づけがよくわからない。
採点:★☆☆☆☆
・咲坂芽亜『姫系・ドール』連載第12回
あらすじ:主人公(歩)はデザイナー修行を決心し、そのために日本に戻ると言い出す。彼氏役(蓮二)は戸惑うが、翌日には快く送り出す。
因果関係だけみれば普通にいい話なのに、余計なものがつきすぎている。
採点:★★★☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第5回
あらすじ:主人公(夏美)の弁当をめぐって彼氏役(翼)が微妙な反応。滉士が夏美に告白。
絵も話も丹念でいい。ただ滉士の作り込みが甘そうなのが気になる。
採点:★★★★☆
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第51回
あらすじ:心臓移植による人格変化を匂わせた。
大ゴマを連発して引き伸ばすのと、話を接木して引き伸ばすのと、どちらがマシなのか。
採点:★★☆☆☆
・麻見雅『かけ×おちっ』読み切り
あらすじ:主人公は、富豪の御曹司である彼氏役に一目ぼれされ、すぐさま駆け落ちにつきあわされ、無人島でサバイバルのあと「駆け落ちサバイバルで君を試した、結婚してください」。
話はまんが的なスピード感があっていいが、絵とあまり合っていない。もっとスピード感のある構図にできるはずだ。
採点:★★★☆☆
・しがの夷織『はなしてなんてあげないよ』連載第8回
あらすじ:敵役(鳴海)にさらわれた主人公(京華)を彼氏役(大輔)が救出。
「次回最終回」の予告なしで次回最終回になっている。
暴力団は完全にギャグでないと少女まんがには出せないような気がする。
採点:★☆☆☆☆
・ナオダツボコ『眠れぬ夜に君を想う』読み切り
あらすじ:彼氏役に告白めいたことを言われるが、素直に応じられなかった主人公。その後、彼氏役から「あれは忘れてほしい」と言われ、さらに苦悩を深める。
少コミには珍しい心理まんがだ。少コミ読者がどれくらい理解できるのか。
採点:★★★☆☆
第34回につづく