2007年12月26日

『BLスタディーズ』をいまごろ読んだ

 ユリイカ 2007年12月臨時増刊号『BLスタディーズ』(青土社)をいまごろ読んだ。
 作品以外の話が多すぎる。もし『ライトノベル・スタディーズ』などという本が出たら、紙幅の大半が作品論に割かれ、作者や読者の人物像などほとんど問題にならないだろう。
 BLは今、まんがに比べて小説に勢いがない(新人が人気を得られないなど)という印象を抱いているが、そのへんの考察が見当たらない。BL作家の人気トップ4(斑鳩サハラ・ごとうしのぶ・あさぎり夕・秋月こお)がろくに言及されておらず、ラウドマイノリティ御用達の木原音瀬が何度も言及されている、というあたりにBL小説界の辛さがにじみ出ている。野村美月(いまだかつて週間ベストセラーリストに登場したことがない)を論じて時雨沢恵一や賀東招二を論じないラノベ論、ほりほねさいぞうを論じて鬼ノ仁や月野定規を論じないエロまんが論、といった趣だ。

Posted by hajime at 2007年12月26日 00:00
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