2号分たまったので一度に片付ける。
まずは2008年第9号のレビュー。
・池山田剛『うわさの翠くん!!』連載第39回
あらすじ:主人公(翠)が本心では当て馬(カズマ)を愛しているのではと疑う彼氏役(司)。司が翠にプロポーズ。カズマが通りすがりの暴漢に刺される。
こんな妙な展開で当て馬の見せ場を作られても困る。
採点:★☆☆☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第14回
あらすじ:彼氏役(京汰)が不倫と恋愛を憎悪するようになった過去を説明。京汰の気を惹くため、主人公(つばき)は妹とともにハロウィンパーティーを仕掛ける。
「おねーちゃんだけは絶対に 京汰サンを裏切らないって 証明するの!」という神学的なイデオロギーを取り上げてきた。
神の存在を証明すること、異教徒を折伏すること、よき隣人であること――これら3つのことはまったく無関係なのだが、なぜか関係があるかのような錯覚にとらわれやすい。人類の永遠のテーマといえる。
採点:★★★☆☆
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳』連載第3回
あらすじ:主人公(珠姫)は彼氏役(辰牙)の親戚に引き合わされる。珠姫を品定めする親戚一同に対して、「珠姫への侮辱は許さない」と宣言する辰牙。
茶の湯といえば、茶室はまんが的に映える空間なのに、効果的に使っている例があまり思いつかない。
採点:★★☆☆☆
・蜜樹みこ『蒼いキセキ』連載第2回
あらすじ:互いに距離感をつかみかねる主人公(アゲハ)と彼氏役(藍)。藍の目の前でアゲハは階段を転げ落ち、少なくとも重症を負う。
この作者は序盤はじつにうまい。
採点:★★★★☆
・水瀬藍『だから、俺にしなよ』連載第4回
あらすじ:当て馬(秀悟)の気が変わり、主人公(陽菜)を助けに割って入る。しかし陽菜は逃げ切れず、「そのかわり もう秀悟くんには手を出さないで」と泣きを入れる。
少コミで暴力は荷が重いモチーフだ。『寄生獣』や『DEATH NOTE』的な乾いた暴力も、『ナニワ金融道』的な生臭い暴力も、少コミでは難しいような気がする。
採点:★★☆☆☆
・車谷晴子『危険純愛D.N.A.』連載第15回
あらすじ:狂言回し(臣吾)が主人公(亜美)と彼氏役(千尋)の親に、学校での二人の関係を通報する。さらに臣吾は亜美を強引にどこかへと連れてゆく。
画面に少々アイディアを欠く。
採点:★★☆☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第8回
あらすじ:彼氏役(桃)と主人公(羽里)が結ばれる。桃が来年から海外に行くとあって、進路に悩む羽里。しかし桃は海外には行かないと言い出す。
いい手だが、スケールが小さい。ドラマチック指向の少コミでは辛いところか。
採点:★★☆☆☆
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第61回
あらすじ:愁嘆場。
ここ数回の愁嘆場展開は、昴の社会的な死を演出するための時間稼ぎで、「やっぱり移植」と決意→社会的な死の残酷さに直面、という展開だと予想するが、どうなるか。そこに照の死はどう絡むのか。
あと連載回数を「61th」と誤植している。
採点:★★☆☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第16回
あらすじ:主人公(夏美)が当て馬(滉士)に接近したことを知った彼氏役(翼)は感情的になり、夏美を押し倒す。
旋回軸がなく迷走しているかと思って読んでいたが、この迷走が妙に魅力的に思えてきた。
採点:★★★☆☆
・咲坂芽亜『ヘアスタイルあまのじゃく仕様』読み切り
あらすじ:カリスマ美容師の彼氏役と一悶着あって告白、結ばれる。
登場人物の価値観が問題にされないので、登場人物の行動が物語的ではなく物理的なものに見えてしまう。
採点:★★☆☆☆
・小泉蓮『意地悪だけと愛おしい貴方へ』読み切り
あらすじ:よくわからない。
さっぱり話がわからない。
採点:☆☆☆☆☆
・千葉コズエ『24 COLORS』最終回
あらすじ:彼氏役(ちはや)は来年海外に留学すると知らされる。主人公(七風)は限られた時間で精一杯輝こうと決意する。
また海外オチか。
採点:★★☆☆☆
第45回につづく