2008年04月22日

Sho-Comi(少コミ)を読む(第44回・2008年第9号)

 2号分たまったので一度に片付ける。
 まずは2008年第9号のレビュー。

 
池山田剛『うわさの翠くん!!』連載第39回
 あらすじ:主人公()が本心では当て馬(カズマ)を愛しているのではと疑う彼氏役()。司が翠にプロポーズ。カズマが通りすがりの暴漢に刺される。
 こんな妙な展開で当て馬の見せ場を作られても困る。
 採点:★☆☆☆☆
 
水波風南『今日、恋をはじめます』連載第14回
 あらすじ:彼氏役(京汰)が不倫と恋愛を憎悪するようになった過去を説明。京汰の気を惹くため、主人公(つばき)は妹とともにハロウィンパーティーを仕掛ける。
 「おねーちゃんだけは絶対に 京汰サンを裏切らないって 証明するの!」という神学的なイデオロギーを取り上げてきた。
 神の存在を証明すること、異教徒を折伏すること、よき隣人であること――これら3つのことはまったく無関係なのだが、なぜか関係があるかのような錯覚にとらわれやすい。人類の永遠のテーマといえる。
 採点:★★★☆☆
 
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳』連載第3回
 あらすじ:主人公(珠姫)は彼氏役(辰牙)の親戚に引き合わされる。珠姫を品定めする親戚一同に対して、「珠姫への侮辱は許さない」と宣言する辰牙。
 茶の湯といえば、茶室はまんが的に映える空間なのに、効果的に使っている例があまり思いつかない。
 採点:★★☆☆☆
 
・蜜樹みこ『蒼いキセキ』連載第2回
 あらすじ:互いに距離感をつかみかねる主人公(アゲハ)と彼氏役()。藍の目の前でアゲハは階段を転げ落ち、少なくとも重症を負う。
 この作者は序盤はじつにうまい。
 採点:★★★★☆
 
・水瀬藍『だから、俺にしなよ』連載第4回
 あらすじ:当て馬(秀悟)の気が変わり、主人公(陽菜)を助けに割って入る。しかし陽菜は逃げ切れず、「そのかわり もう秀悟くんには手を出さないで」と泣きを入れる。
 少コミで暴力は荷が重いモチーフだ。『寄生獣』や『DEATH NOTE』的な乾いた暴力も、『ナニワ金融道』的な生臭い暴力も、少コミでは難しいような気がする。
 採点:★★☆☆☆
 
車谷晴子『危険純愛D.N.A.』連載第15回
 あらすじ:狂言回し(臣吾)が主人公(亜美)と彼氏役(千尋)の親に、学校での二人の関係を通報する。さらに臣吾は亜美を強引にどこかへと連れてゆく。
 画面に少々アイディアを欠く。
 採点:★★☆☆☆
 
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第8回
 あらすじ:彼氏役()と主人公(羽里)が結ばれる。桃が来年から海外に行くとあって、進路に悩む羽里。しかし桃は海外には行かないと言い出す。
 いい手だが、スケールが小さい。ドラマチック指向の少コミでは辛いところか。
 採点:★★☆☆☆
 
青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第61回
 あらすじ:愁嘆場。
 ここ数回の愁嘆場展開は、の社会的な死を演出するための時間稼ぎで、「やっぱり移植」と決意→社会的な死の残酷さに直面、という展開だと予想するが、どうなるか。そこにの死はどう絡むのか。
 あと連載回数を「61th」と誤植している。
 採点:★★☆☆☆
 
くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第16回
 あらすじ:主人公(夏美)が当て馬(滉士)に接近したことを知った彼氏役()は感情的になり、夏美を押し倒す。
 旋回軸がなく迷走しているかと思って読んでいたが、この迷走が妙に魅力的に思えてきた。
 採点:★★★☆☆
 
・咲坂芽亜『ヘアスタイルあまのじゃく仕様』読み切り
 あらすじ:カリスマ美容師の彼氏役と一悶着あって告白、結ばれる。
 登場人物の価値観が問題にされないので、登場人物の行動が物語的ではなく物理的なものに見えてしまう。
 採点:★★☆☆☆
 
・小泉蓮『意地悪だけと愛おしい貴方へ』読み切り
 あらすじ:よくわからない。
 さっぱり話がわからない。
 採点:☆☆☆☆☆
 
・千葉コズエ『24 COLORS』最終回
 あらすじ:彼氏役(ちはや)は来年海外に留学すると知らされる。主人公(七風)は限られた時間で精一杯輝こうと決意する。
 また海外オチか。
 採点:★★☆☆☆
 
第45回につづく

Posted by hajime at 2008年04月22日 00:53
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