2010年03月26日

18禁こそ制服禁止

 「非実在青少年」という文言に「だめだこいつら」とあきれたのは私だけではないはずだ。こんな連中を使わなければならないのだから、有権者も楽ではない。
 とはいえ、そもそもこんな話が出てくるのは一体なぜなのか。
 Googleサジェストはエロ関係の候補を出さない。そのために手作業で禁止ワードを登録している。これはたとえば新人AV女優の名前をチェックしてみるとわかる。デビューした瞬間は、名前の出所はポルノ業者だけなのに、候補に出るのだ。
 さて、その禁止ワードリストには「セーラー」が含まれている。おかげで「セーラームーン」も候補に出てこない。女子学生の制服はエロ服というわけだ。おかしな話だが、おかしいのはGoogleだけなのか。
 「セーラー服を着なくなってピタッと止まりましたもん」
 というわけで、私の主張を述べる。「18禁こそ制服禁止」だ。

 
 規制を加える対象は18禁だけだ。18禁以外のところにはなんの制約も加えない。「18禁でなければ制服OK」だ。
 非実在青少年案のもっとも異常なところは、「非実在青少年」といういかれた文言ではない。「18禁」と「一般」の2つへと表現を分割したうえで、「一般」に制約を加える、というところにある。
 百歩譲って、分割までは認めるとしよう。たとえ行政が関与しなくても、ポルノ業者は18禁を設定する。たとえ規制が一切なかろうと、実写の本番が延々と続く動画は、なんらかのゲットーの中でしか販売できない。こっそりと外で売る輩も絶えないだろうが、表立って問題にならないように隠れていられるのなら、それは別種のゲットーの中だ。
 ゲットーの存在に行政からのお墨付きを与えるかわりに、ゲットーの中で行われることに規制を加える、というのは政治的取引として理にかなう。
 この取引は、ゲットーと行政が勝手に行うものだから、両者以外の誰も束縛しない。「一般」の表現をひっつかまえて「18禁」に閉じ込めるような真似はありえない。
 
 現実問題としては詰めるべき点は多い。
 取引相手のゲットーをひとつと想定すべきではない。お墨付きの内容はどんなものなのか。廃娼運動の尻尾の反対を押し切れるのか。
 それよりさらに難しいのは、「18禁=非日常=法の外」というたぐいの発想と手を切れるのかどうかだ。18禁のように巨大で遍在する非日常などありえないのに、誰もがその巨大さ遍在ぶりに目をつぶっているかのごとき現在の状況は、非実在青少年案と同じくらい異常だ。これほどの異常が、ある日突然あっさりと消えてなくなるとは思えない。

Posted by hajime at 2010年03月26日 11:06
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