2012年12月02日

『摩擦との闘い ―家電の中の厳しき世界―』

 日本トライボロジー学会編『摩擦との闘い ―家電の中の厳しき世界―』(コロナ社)
 「理屈がわかっていないのによく作れるものだと思うかもしれませんが、そういった機械や部品は珍しくありません」(11ページ)
 機械系の本はたいてい面白いのでよく読むのだが、その面白さを言い表すのは難しい。冗談の面白さを言い表せないのと同じだ。
 具体的な物事は必ず冗談に似ている。というより、冗談と見分けがつかない。世界の根底はそういうものでできている。
 「トライボロジーとは、摩擦や摩耗を扱う技術・科学です」(iiページ)。
 この本を読んでも、金が儲かるとか、気が利いたことが言えるようになるとか、良い人間になれるとかいったことは絶対にない。そういう本こそ読みたい、という真の読書家諸氏にお勧めする。
 ところで「トライボロジー」という言葉は、その分野の重要さのわりにあまり見かけない言葉だが、最近どこかで見たような気がする、というかた、それは『完全人型』の作中ではありませんか。主人公が大学でトライボロジーの授業を履修しています。
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Posted by hajime at 2012年12月02日 13:03
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