2012年12月04日

CycleOps Joule GPS

 ひょんなことからCycleOpsのJoule GPSを使い始めたので、レビューしておく。なおパワーメーターはPowerTap PROのCR2032電池版(ネットにはSR44電池の旧バージョンの画像しか上がっていないが、私の手元にはCR2032電池の新バージョンがある。シマノフリーで実測414g)。

 
 重要な点:
Joule 2.0とは全然違う
 Joule 2.0はJoule 2.0 GPSとも呼ばれていたので、同じものかと思っていたら、全然違った。しかも、機能を見るかぎりでは、劣っているとしか思えない。
 
+外見が全然違う
 黄色い部分があって細長いのがJoule 2.0、丸っこくて黒一色なのがJoule GPS。ジョイスティックがあるのがJoule 2.0、ないのがJoule GPS。
 
+ソフトウェア的に全然違う
 Joule 2.0のマニュアルを見ると、明らかにJoule GPSにない機能がある(後述のPower Smoothing)。
 
+バッテリー交換ができない
 Joule 2.0は交換用バッテリーが販売されているが、Joule GPSは交換できそうな気配さえない。
 
+走行データのワイヤレスダウンロードができない
 Joule 2.0用のワイヤレスダウンロード用ANT+ USBスティックが販売されているが、Joule GPSのマニュアルのどこにもワイヤレスダウンロードの記述がない。また実際にやってみたが、できなかった。
 
+マウントは同じらしい
 Garminと似ているように見えるが、互換性は不明。
 
 Joule 2.0に満足しているユーザが「後継機だから」とうっかりJoule GPSに乗り換えたら激怒必至だ。
 ジョイスティックやバッテリー交換の廃止くらいなら、耐久性・防水性のためだろうと理解できるが、ソフトウェア的に全然違うのは驚く。全部捨てて開発しなおして、元より劣るものを作ったのだから、いったいなにがあったのか。
 
 よい点:
・SRM風のマウントがついてくる
 Garminのように別売りのを買う必要がない。
 
・バッテリの持続時間は十分
 10時間弱使ったところ、インジケータは半分残っていた。マニュアルによれば約20時間。ブルベでなければ十分。
 
・PC側のソフトから設定できる
 ANT+の設定も面倒だし、TSSやパワーウェイトレシオをオンボードで出せたりするしで、とにかく設定項目が多い。すべてJoule GPS本体で設定していたら優に半日は潰れる。PC側のソフト(PowerAgent)から設定できるので楽。
 
・動作が速く安定している
 Garminでよく聞くようなもたつきや不安定な挙動は今のところ見ていない。
 
 悪い点:
・Power Smoothingができない
 Power Smoothingすなわち出力の移動平均を出すことができない。Cervoにはあった機能で、Joule 2.0にもあったらしいが、どういうわけかこのJoule GPSにはない。
 世間でのJoule GPSの悪評はこの点に集中している。なのにまだ機能追加していないところを見ると、開発体制や設計に問題があるように見える。
 
・Cervoに比べて液晶が見づらい
 ドットマトリクス液晶のため、コントラストが低く、見づらい。ドットマトリクス液晶なのはGPSを生かすためだが、やはり厳しい。
 
結論:お勧めできない
 GPSが主目的なら、Garminと比較してのメリットは見当たらない。
 パワーメーターを活用したい人にとっては、上記の悪い点は致命的だ。とはいえ、
・Power Smoothingができる
・7セグメント液晶
・メーカーを問わずANT+のパワーメーターに対応
・SRM風のマウント
 という条件を満たすサイコンは今のところ存在しないと思われる。選択肢は、
・SRMを買う
・Cervo対応の古いPowerTapを買う(SRM風のマウントをあきらめる)
 くらいか。
 もし無印JouleにPower Smoothingが追加されれば、上記の条件すべてを満たすことになるが、私は期待薄と見ている。Joule 2.0→Joule GPSの断絶と、Power Smoothing問題をこれほど長く放置していることからして、Jouleの開発体制には深刻な問題があると見ていい。
 
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Posted by hajime at 2012年12月04日 18:35
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