中里一日記

[先月の日記] [去年の日記]

2000年3月

3月31日

 ここ数号の電撃G'sマガジンを観察した結果、
・ツインテールの極端な優位
 にもかかわらず、
・既存ギャルゲーの主要人気キャラにはツインテールがいない
 という結果を得た。ちなみに今月号のキャラ人気ランキングを、ゲームタイトルごとにその1位だけを列挙すれば、マルチ(To Heart)・乃絵美(With You)・杉原真奈美(セングラ)・八重(ときメモ2)・あゆ(Kanon)の順である。いずれもツインテールではない。
 これは既存ギャルゲーの最適化が不十分であることを示しているのか、それとも、ツインテールにはなにかまずいところがあるのか。

 私は「リンクフリー」という言葉を見るたびに危機感と反発を覚える。
 概念の力を侮ってはならない。適切な地点に、適切な角度と形態でもって打ち込まれた概念は、一つの社会さえ崩壊させることがある。「リンクフリー」という概念は、社会を崩壊させることはないにしても、十分に不吉なものだ。「リンクフリー」という概念は、「無断リンク禁止」を当然のごとく――もっとも危険な操作だ――ワンセットにしている。
 私は無差別テロの論理を受け入れないのと同様に、リンクフリーの論理を受け入れない。すべてのURLは自由である。望ましからぬリンクからの訪問者をはじくようにするのは、そう難しいことではない。この手間を省くかわりにURLの自由を売り渡すなど、論外だ。
 3月29日の日記でリンクしたページが、リンクに際して事前に通知するようにとの掲示を加えた。もしリンク先がATIや新潮社なら、鼻で笑って無視するだろう。が、リンク先に対してなんらかの仁義があるとなると、事は少々違ってくる。双方の共通の利益について考えねばならない。
 この場合、私はリンク先から大いに恩恵を受けている。恩のある相手からの注文を、合理的な理由なしに断るのは、少々気がひける。
 かくして私は、通知の手間と気のひけかたを勘案した結果、リンクを一時中止したうえで相手方にリンクを通知することにした。この決定は、私がリンク先に対して感じている仁義のゆえであり、リンクに関しての不愉快かつ有害な社会通念のためでないことは重ねて強調しておきたい。
 (通知を終えた現在ではリンクを再開している)

3月30日

 未成年者の取締役と法定代理人の関係について調べている。
 取締役会での票決に参加するにあたって、未成年者の取締役は法定代理人の同意を得る必要があるのだろうか。法定代理人の知らないところで票決を行い、代表取締役を選任するなどした場合、法定代理人はこの決議を無効とすることができるのだろうか。無効とできるなら、代表取締役の結んだ契約なども無効にできるのだろうか。
 常識で考えれば、たとえどんな事情があるにせよ、登記にあるとおりの代表取締役が結んだ契約が無効になるはずがない。ということはこれは、未成年者にとっては、法定代理人の意思に反する有効な法律行為を行う手段になりうるのか。
 未成年者の取締役が法定代理人の同意なしには有効な票決をなしえないのなら、代表取締役が自分の子供(未成年)を取締役にするのはいいのか、という疑問がわく。取締役がそれぞれの独立した意思により票決を行えないのなら、なんのために取締役会は3人以上と決められているのか。
 これはさすがに判例はなさそうだが、法解釈次第では、法定代理人の意思は無視できるかもしれない。…と思ってみても実際には、登記の段階で蹴られそうな気もする。しかしその場合、表見代表取締役という手もあるので、よくよく可能性を探れば抜け道はありそうだ。

 電撃G'sマガジンの読者参加企画「Milky Album」の人気投票結果が出た。小学生4人の順位は、1位・森下潤未、2位・立花真白、3位・藤原樹、4位・綾瀬美緒。
 私の順位予想は、1位と2位を読み違えるという結果に終わった。しかし得票数にして4倍という大差を読み違えたとあっては、成功とは言いがたい。私の眼力はまだまだのようだ。
 また二十歳の2人を含めた順位では、二十歳の2人が1位2位という結果となった。やはり、小学生が強く思えるのは、単なる錯覚にすぎないのだ。

3月29日

 人類の歴史は許されぬあやまちに満ちているが、その新たな1ページを発見した。
http://www.dccinet.co.jp/tamanoir/idata/iken13.htm
 新潮社に三度アナテマ。

3月28日

 ギャル理論研究のため、ジャニスの「とらいあんぐるハート」(以後とらハと呼ぶ)を始めた。が、インストールの際にDVD-ROMドライブ周りでデータエラーが起こったらしく、正常に表示されない背景CGがある。
 もうデータエラーのためになんか泣かない、とつぶやいて、UltraATAのDVD-ROMドライブを買うことに大決定した。それにしてもこのSCSIカード(TekramのDC-390U)は、本当にパリティエラーをチェックしているのだろうか。どう考えても、していないような気がする。

 とらハがギャル的によくできていることが理解されてきた。それも、最適化より前の段階がよくできている。
 「戦争とは、政治思想を別種の書き方または言語で表したものにすぎないのではないか? それは実際独自の文法をもっているが、論理は独自のものではない」(クラウゼヴィッツ)という格言を借りれば、最適化は文法にかかわる問題であり、とらハは論理=思想のレベルにおいて優れている。
 ただし最適化の枠組みにおいては、思想もコストとの関連で論じられる。一般に、優れた思想は高くつく。また、思想の優越がコストパフォーマンスの優越を保証するわけでもない。

 ゴルバチョフの「ペレストロイカ」を読んでいる。1987年11月発行。「ONE ~輝く季節へ~」より泣ける。
 34ページより引用する。
 『こんな噺がある。何かの建築物を作っている人々のところへ旅人がやってきて、いったい何をしているのかと一人ひとりに聞いてまわった。ある者が腹だたしげに答えた。「見てのとおり、朝から晩まで、こういうつまらん石を運んでいるだけですよ」ほかの者が立ち上がり胸を張って誇らしげに言った。「ほら、私らは神殿を建てているんですよ!」
 緑の丘に立つ輝く神殿という高邁な目標を思い描くことができる者にとっては、どんなに重い石も軽くなるし、どんなに激しい労働も喜びになるのだ。』

3月27日

 内部連絡:
 一部方面から推薦を受けた島×××の「C________ M_________」は、きわめて反動的・トロツキスト的・帝国主義的に偏向した作品であるため、香織派は本作品の黙殺を決定した。以後このような偏向した作品が推薦されることのないよう各方面に周知を徹底されたい。

 千号作戦、ベッドシーンを抜けて現在193枚。半分を過ぎたので、残りページ数をカウントしはじめた。
 そろそろJが肩越しにモニタを覗き込んでいるような気がする。

3月26日

 介錯の「薔薇の三銃士 愛の輪舞曲」を読んだ。森奈津子と同系列の百合お笑いである。
 お笑いにしても宝塚男役系はやめろというのに。打ち切りになるのも道理だ。

 ようやく液晶モニタのデジタル接続がものになってきたらしい。DVI接続のビデオカードと液晶モニタの単品が出回りはじめている。
 完全無音マシンには液晶モニタが欠かせない。CRTでは起動までの時間が長すぎて、24時間運転のメリットが著しく薄らいでしまうからだ。とはいえ、10万円以上もする液晶モニタを買えるのはいつのことか。

3月25日

 へっぽこくん(という筆名)の「ガールズ☆ガーデン」を読んだ。いやこれは読んだなどという生易しい出来事ではない。発見し理解し共感し感動するというプロセスが大文字的に進行したのだ(意味不明)。
 もはやこれはあらゆる人間的な次元を超えて一大事件であり、読者諸氏におかれては必ずやこの本を入手し読まれるべきであると確信する。久保書店、ISBN4-7659-0679-5。

 ペトログラードからの情報をもとに、エロゲーにおけるギャルの分析を進めている。
 どうやら最近のトピックは、ジャニスの「とらいあんぐるハート」であるらしい。アリスブルーの「隠れ月」と、どちらを先に片付けるべきか。

3月24日

 未成年の株主総会での議決権について調べている。
 民法に、「未成年者が法律行為をなすには、その法定代理人の同意を得ることを要す。ただ単に権利を得または義務を免れるべき行為はその限りにあらず」で、「前項の規定に反する行為はこれを取り消すことを得」とあるので、議決権の行使が法律行為である以上、未成年者が法定代理人なしに単身株主総会に乗り込んでも議決権はないと考えてよさそうだ。が、単純に欠席・棄権扱い、という結論には釈然としないものを感じる。うーむ。
 さらに、法定代理人と未成年者の意見が食い違った場合にはどうなるのか。法定代理人の意見だけが通りそうだが、これも釈然としない。
 法定代理人に知らせずに株主総会を開催し、株主である未成年者の議決権を取締役会が認めたと考えてみる。この場合、株主総会での決定を取り消すよう裁判所に訴えることができるのは誰なのか。
 まず、法定代理人が該当するだろう。その総会において解任された取締役はどうか。会社の社員は。取引先は。さらに、その総会後に会社が結んだ契約は取り消すことができるのか。未成年者の議決権を認めたことで、取締役が会社の損害を補償する責任を負うことがあるのか。
 調べれば判例もありそうだが億劫だ。うーむ。

3月23日

 千号作戦、ベッドシーンが難しくて辛い。ううう。
 読者にとってはトンデモな楽しさに目からビームでも、作者はトンデモだからといって気楽に書いているわけではなく、骨身を削って考えるのだからたまらない。
 書いている最中に言うのもなんだが、やはり千歳のかわいさには勝てない。こちらの主張は踏み込みのよさと新戦術(百合には、なにがなくても、思想と戦術の新しさだけはあるのだ)だが、インタラクティブの威力はあまりにも圧倒的だ。

 MSのX-BOXはソフトの流通を押さえて金を取る予定らしい。
 なあビル、考え直せよ。大規模な開発になりゃあ、開発環境どうこうの優位はどうでもよくなっちまう。それにPS2だってgccさ、Visual Studioよりいいとは言わないが、そう悪かない。
 いいかビル、お前さんが勝つにゃあ、ソフトで勝たなきゃならん。質は気にするな。ゲームの質なんざ、量のあとにしかついてこんよ。だから、量だ。浴びせるほどの量だ。Windowsにはそれができる。Windowsはどこにでもある。マシンも、人材もだ。その膨大な資源を、X-BOXに注ぎ込ませるんだ。それには、小規模な開発を促進するこった。蟻の群れで象に対抗するのさ。
 考えてみろよ、ソフトが自由に流通するってことの意味を。WindowsがOSだってことの意味を。ソフトを出すたびにいちいち、レドモントや笹塚にお伺いを立てるようになってみな。ハッ! あんたのご自慢の帝国は、三日でペシャンコさ。
 なあ、画面解像度の優位が、いつまでも続くってわけじゃないんだぜ? SCEIの奴はもう、お前さんの横にぴったりつけてる。オフィスを独占してるからって、安心なんかするもんじゃないぜ。そう、お前さんは決して安心しない。だからお前さんには今日がある。
 今度も、用心深いところを見せてやれ。奴を――蹴飛ばすのさ。思いっきり。そうやって、もう二度と走れないようにしてやれ。奴はPS2に気違いじみた金をつぎこんでる。いったんWindowsに奪われたら、奪還するだけの金も気力も出てきやしない。お前さんが金を回収するのは、それからでいいのさ。

3月22日

 人間いくつになっても知ることはあるものだ。
 昔、爆薬関係のことは多少調べたつもりだったが、バート・S・ホールの「火器の誕生とヨーロッパの戦争」を読むと、爆薬関係で知らないこと(それも基礎的な)が山のように出てきた。
 たとえば、近世ヨーロッパでは硝酸塩(黒色火薬の主原料)は屎尿から硝酸菌の働きで得たという。黒色火薬は、酢によってペースト状にしたものを小さな粒にして乾燥させることで、粉末のまま使うよりもはるかに強力なものが得られる。さらに、粒径が小さいほど燃焼速度が速い。黒色火薬の燃焼プロセスは複雑であり、燃焼ガスが吹きつけることによって表面から燃えてゆく。
 またこの本を読んで、リデル・ハートは馬鹿だと確信した。やはり所詮は「英国の防衛」の著者である。

3月21日

 千号作戦、174枚。現在はベッドシーンを書いている。
 どこまで踏み込めるのか不明すぎて困る。商業誌の限界までいけるのなら楽なのだが。電撃・富士見ファンタジアはどのくらいなのだろう。とりあえず月倫は前例主義で突破することに決めた。在籍歴の長さのメリットは、こんなところにあるのだ。
 それにしても、私の文体で10枚以上も気のきいたやりとりを続けるのは、あまりにも無理というか不自然のような気がしないでもないが、吶喊吶喊と自分に言い聞かせつつ無視している。

3月20日

 皆川ゆかの「ティー・パーティー」シリーズには、百年漬けという漬物が出てくる。妖怪と漬物を一緒に漬けて経ること百年、漬物に妖怪の力が染みこんでおり、食べれば百人力、なる代物である。
 さて、本家の百年漬けほどパワフルではないものの、ご家庭で簡単にちょっとした百年漬けを作る方法がある。
1. 即売会で適当なサークルの便箋を買い集める。
2. 20年保存する。
3. その便箋を使って、昔のオタク仲間に手紙を書く。
 ちなみに現在、私の手許には三年漬けが1セットある。あと17年ほどで漬けあがるはずだ。

 リアル錯乱坊(うる星やつら)を見つけた。アン・ルールの「テッド・バンディ」の上巻の口絵ページにある、ハーブ・スウィンドラー警部がそれだ。
 とにかく一見の価値がある顔だ。林真須美被告やヨハネ23世と共演させたい。

 この「テッド・バンディ」という本についてである。
 どんな人間も必ず、いくらかは私自身に似ている、と私は信じている。もちろん、あまり似ていないように思える人間も数多い。たとえば、核廃絶を主張する人々である。
 彼らがいったいなにについて、なんのために話しているのか、私にはまったく理解できない。核廃絶には戦争の廃絶が欠かせない。戦争を廃絶するには、まず老病死を廃絶する必要があるだろう。老病死から解放された人類がはたして人類と呼べるのかどうか怪しいが、とにかく、彼らが話しているのはそのような課題だ。現代の錬金術と言ってもいいだろう。金が欲しいからといって鉛を金に変えられるのなら誰も苦労はしない。胡散臭い連中だと思っていたら、最近はイギリスでサボタージュ活動をしている(ただしこれは、なかなか痛快かつ私にも共感できる連中である。さすがはモンティ・パイソンのお国柄だと喝采したい)くらいの噂しか聞かない。やはりソ連の工作資金なしではなにもできない連中だったのだろうか。
 話がそれた。
 私は、少なくとも核廃絶を口先だけで主張する胡散臭い連中よりは、この本の題材、テッド・バンディに似ている。連中とバンディと、どちらが自分の友人としてふさわしいかと問われれば、私は迷わずバンディだと答える。バンディが、30件を越す連続殺人の犯人であっても。
 私はバンディを知っている、自分自身のこととして。だが、私はバンディと同じだとは言うまい。それはバンディを過小評価することになるだろう。きっと、意味のある違いがあるはずなのだ。ナチスのアイヒマンと、彼を裁いた人々とのあいだにあるような――あるはずだとされている――、意味のある違いが。

3月19日

 眠い。きゅう。

3月18日

 全年齢版の「Kanon」は、足のないジオングのようなものかと思っていたら、実は頭のないジオングだという話を聞いた。あの「Kanon」でも、18禁シーンなしでは性能は100%発揮できないのだ。
 千号作戦では、攻勢転移にあたって主導権を奪回するために、性描写が絶対的に必要となる。通常のベッドシーンが作戦の仕上げであり過剰な描写が蛇足となるのとは異なり、主導権奪回が目的なので、どこまで踏みこめるかが作戦の成否を左右する。
 というわけで、月倫(月猫通り倫理委員会)から前例主義の確約を引き出そうとしたが、果たせなかった。

3月17日

 今日のアナテマ:サイバーリンク(PowerDVD)
 PowerDVD2000へのアップグレードパッチが出ているはずだと思いサイバーリンクのサイトに行ってみたところ、「ユーザ登録しなきゃパッチはやらんよ」とある。
 私はソフトのユーザー登録をしない主義である。なぜか? 商品価値の高い個人情報だからだ。私の重要な個人情報を、数百万円のソフトならともかく、なんでたった5000円のソフトが要求するのかね、ええ? 「お名前(ハンドル名、ペンネーム不可)」? 君は頭の高さでギネスブックに載ろうというわけかね?
 こんなにも頭の高い企業の製品だと知っていたら買わなかった。事前の調査は重要である。

3月16日

 VMWare+S-YXG50で「Natural ~身も心も~」を実行してみたところ、MIDIがテンポ落ちして聞くに耐えなかった。情報によればシリアルMIDIもだめらしい。
 ついでに「Natural」の純愛EDを見た。面倒なのと面白くなさそうなので見ていなかったのだ。ちなみに主人公の美澤千歳は、超ハの四番打者・貴島望のネタ元である。なので、「うちの望のほうがかわいいわ」と猫の飼い主のようなことを思いつつやったわけだが、ベッドシーンでのかわいさは千歳のほうが一枚上手だ。さすがはエロゲー、と言わねばなるまい。

3月15日

 FAST Searchで「kaoristics」を検索してみたら、http://www.to-get-her.org/という、台湾のレズビアン向けサイトの掲示板の書き込みがひっかかった。
 行ってみたところ、すでに保存期限切れでNot Foundだった。いったいなにが書いてあったのだろう。

 VMWareはゲームには使えないことがわかった。理由は、
1. DirectDrawが8ビットのみ(それさえも私の環境では動かない)
2. MIDIのサポートが皆無
 というわけで、どうにもならない。2だけならソフトシンセやシリアルMIDIという手もあるのだが、1は致命的だ。

3月14日

 Cyq'veのUSBモデム(FMU-56K)のWindows2000用ドライバが出たので、Win2kからネットサーフィンしてみた。
 くわっ! 速い! ダメだアニキこれはもう! Win98なんか捨てるっきゃねえ! 旧ザクとジオングくらい違う! まあ私のWin98はレジストリ等にゴミがたまっているためかもしれないが、とにかく速い。
 というわけで早急にメモリを増設してWin2kに移行することにした。読者諸氏もWin2kでネットサーフィンしてみられるといい。
 …と、ここまで書いて思い出したが、Win98よりWin2kのほうが、インストールしてあるHDDが速いのだった。やはりマシンの速さを決めるのはHDD、それもシークタイムだ。

 さっそく128MBのSDRAMを買った。既存の64MBとあわせて192MBにしようとしたら、どうやっても2枚同時に使えない。片方だけならまったく問題ないのに。
 原因は、IntelのCA810が人間の屑によって設計されたせいであると私的に大決定した。とりあえずSPDを調べてから対策を決めたい。

 最近、古本屋から冷戦時代の本が消えつつあることに気がついたので、あわてて買い集めている。
 学校の歴史の教科書のような、お上品で確信に満ちた歴史には用がない。私が求めるのは、不安と幻想だけだ。冷戦の最後の生き証人を自ら任じる私は、フランシス・フクヤマ流の確信に断固として抵抗してゆく所存である。

 今日のフレーズ:
 NATOの殻を破らねば、ソヴィエトは生まれずに死んでゆく

3月13日

 能動的打撃についての考察を進めている。
 ギャル作品市場の分析(現在のギャル理論の基礎である)によって引き出される最適化手法からは、受動的打撃しか得られない。受動的打撃だけでも一定のコストパフォーマンスは得られるだろうが、一定以上を目指すのなら、能動的打撃に目を向ける必要がある。
 能動的打撃とは、言うなれば、ワンアイデア式のベンチャー企業(PointCastがいい例だ)である。まだ存在しない需要を先見性によって見出し、需要に応えるのではなく需要を創出する。
 ギャル作品市場を概観するだけで、受動的打撃の主な法則はつかめる。「同級生」と「ときメモ」をやれば、マルチギャル構造を発見できる。キャラの人気投票ランキングを20個も眺めれば、ポニーテールとツインテールの優位はわかる。
 能動的打撃のヒントは、おそらく、もっと微細なところに隠れている。エヴァ以前のオタク向け市場を探れば、綾波のヒットを予言するものはいくらでも見つかるはずだ。また常に投機的であるだろう。もしタイムマシンで1994年にエヴァのビデオを持っていってアニメオタクに見せ、「綾波は当たると思うか」と尋ねても、自信をもって「当たる」と答えられる人間は少ないはずだ。

3月12日

 MSのX-BOXが勝てる方法を考えたところ、ダンピング作戦しかないという結論になった。
 限界生産費用(1台生産するごとに追加的にかかる費用)を3万円、卸値を1万円、初期出荷台数を400万台とすると、損失は800億円。開発費と初期投資は700億円くらいで済むだろう。
 というわけで1500億円出せば、プレステ2に勝てる可能性がある。仮に3000万台が出荷されると考えると、1台から5000円回収できればいい。4年で半分を回収し、残り半分で未来を買ったと考えると、年に600円強を回収することになる。
 が、この600円強を回収する手段がない。通常のゲーム機ではソフトの流通ルートを押さえて利益を得るわけだが、X-BOXがもしソフト流通ルートを押さえようと図れば、プレステ2はおろかドルフィンにさえ惨敗を喫することは自明である。
 かくして、1500億円(実際はその半分と考えてもいい)はプレステ2の脅威を除くためにのみ費やされることになるわけだが、さて、MSにそれだけの決断力があるかどうか。

 この計算をして思った。ダンピング作戦はきわめて有効であり、もしMSがこれを実行すれば、プレステ2に費やされた莫大な開発費をひどい無駄づかいにできる。専用ハードの莫大な開発費は、プレステ2の唯一の弱点かもしれない。
 MSがどんな作戦をとるにせよ、この弱点を戦いの焦点にできるかどうかがX-BOXの運命を左右するだろう。

 ちなみに私は、もしX-BOXが
・小売り価格1万5千円以下
・ソフトの開発・流通環境がパソコンと同等
 という状態で登場したら買う。

3月11日

 プレステのパッドを買ってきてSMART JOYPAD IIでパソコンにつなぎ、JoyToKeyでキー入力にして、MAME32でAssaultを動かしてみた。
 完璧に動作したものの、MAME32が重い。拡大縮小・回転の専用ハードウェアがついているとはいえ、12年前の基板だというのに。うーむ。

 ギャ会で今月の電撃G'sマガジンを回覧し、各員に「Milky Album」の人気投票順位を予想してもらったところ、森下潤未が強いという結果が出た。9歳という年齢、ツインテール、ページ配置(見開き右端がもっとも有利)を重く見たものだ。
 そういえばページ配置の問題を見落としていた。というわけで、2位:森下潤未、3位:藤原樹に予想を変更する。

3月10日

 東大前期の合格発表があったが、現在のところ、香織派の新メンバー応募への募集は1件もない。仕方ないので後期を待つとしよう。

3月9日

 千号作戦、いよいよ攻勢転移にかかった。
 まだ半分も書いていないが気分はすでに終盤である。なお、どこまでエロにするかは、月猫通り倫理委員会(略称・月倫)と相談して決めたい。

 アキバを徘徊したところ、「Re-leaf」のフィギュアのガチャガチャを見つけた。よほどネタ切れと見える。
 問題は、キャラにナジがいない、ちび桜がいない! わかってねえよ、あんたらなんにもわかっちゃいねえよ! ダサい服着た玲なんかどうでもいいからナジを出せ! 風子(か?)じゃなくてちび桜を出せ!
 服装で思い出したが、「Re-leaf」の原画担当は女性だったと聞いて、驚いたと同時に納得した。そういえば、男性ならもっと無難な服装を選ぶだろう。あれは無知や無関心ではなく、悪趣味だったのだ。

3月7日

 1934年10月に陸軍省が出した「国防の本義と其強化の提唱」は、宣伝戦を大きくとりあげ、満州事変に対する国際的非難を「我が宣伝の拙劣なりし為」としているという。
 この見解は間違っているとはいえないものの、宣伝戦の地政学的な部分を見落としている。宣伝戦の勝利といえばボスニア紛争が記憶に新しいが、セルビアが宣伝戦に勝つ可能性があったかといえば、否である。戦場における努力と同様、宣伝戦における努力には明白な限界がある。
 有利不利が最初からはっきりしていることが多いため、互角の宣伝戦というのはあまり見かけない。だが、どうやらチェチェン紛争は、両陣営が互角の宣伝戦を展開できるかもしれない。かたやロシアのいつもの干渉政策、かたや不気味に勃興しつつあるイスラム勢力である。欧米政府は武装勢力側に味方しているものの、報道機関への働きかけではロシアが圧倒的に有利だ。

3月6日

 千号作戦、現在159枚。いまは手を戻している最中で、これが過ぎたら200枚の突進が始まる。ここから先は軌道修正が効かないので、慎重に読みを入れている。

 おとといの日記に書いた、属性配置論の問題についてである。
 結論から言えば、集中配置がより最適である。理由は、「帰属感」だ。
 シャルルか美女丸か和矢か薫か、さあ君はどのキャラのファンか、という選択を迫るのがギャル作品である。このとき、選択に迷いが生じるのはまずい。なぜなら、読者は自分の選ぶキャラに深く帰属したいと願っており、迷いは帰属感を妨げるからである。そして、強い正の相関のある属性を異なるキャラに配置すると、迷いが生じやすくなる。
 というわけで最適化の指針を示すと、
・属性の相関を調べ、強い正の相関のある属性を一つのキャラに配置する
 となる。

 能動的打撃と受動的打撃について考察したところ、「受動的打撃=オタク向け」「能動的打撃=一般人向け」という傾向があるのではないかと思えてきた。ただの直感で、根拠はない。

3月5日

 今野緒雪の「マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)」を読んでいる。
 ううう、かったるい。奇襲がある作者だとは知っているのだが、それにしてもである。津原やすみのように、細かな動きで側面を守る呼吸を身につけてほしい。

 吉屋信子の「永遠の良人」という家庭小説のあらすじを読んだら、例によって、やたらと仲のいい姉妹が出てきていたので、笑いつつ感動した。偉大なり吉屋信子。

 今日のフレーズ:
 「これが敵だ! 野獣民族アメリカ」
 「勝利の特攻生活」

3月4日

 映画のウテナ(DVD)を見た。
 なんという美しさ。なんという自由さ。

 女でツインテールのシャルルについて考えるうちに、貴族病(「かってに改蔵」参照)と天才病と変人病は併発しやすいのではないか、と気づいた。
 強い正の相関がある属性は、一つのキャラにまとめて配置するのと、バラバラに配置するのと、どちらがより最適だろうか。直感的には前者だが、証明を思いつかない。

3月3日

 おととい、ギャル作品について論じたなかで、「天才と金持ちと貴族が強い」「変人が強い」と書いたが、全部あわせるとシャルル(藤本ひとみのマリナシリーズ)になることに気がついた。なるほど最強だ。
 ということは、シャルルを女にして髪型をツインテールにすれば、最強の4番打者のできあがり――ううう否定できない。実験してみるべきか。

3月2日

 問答無用で容赦なく完璧に映画のウテナのDVDを発売日前に手に入れた。今はパッケージのわくわく感にうっとりしているところである。

 アキバを回ったところ、AdaptecのUltra160 SCSIカード(LVD-SE変換つき)が、バルクながら2万円を切る値段で出ていた。初物でこの値段となると、LVD-SE変換つきのUltra2 SCSIカードの値段が暴落しそうな気配だ。

 引き続き、パソコンでTVの予約録画をする方法を探している。
 文字放送で送られる番組表と連動して、簡単に予約録画をするボードが出ているが、3万円以上もするうえにMPEG2のエンコーダがソフトウェアだ。無視する必要もないような代物である。
 そこでC-CUBEのサイトを見てみると、DVxplore(ハードウェアMPEG2エンコーダのチップ。90ドル台)の後継としてDVxcelというチップが発表されていた。値段はたった23ドルである。これでヘボいキャプチャカードが地上から一掃されるだろう…などと考えるほど私は甘くない。
 DVxploreを採用したパソコン周辺機器が、デスクトップVAIOに内蔵のカードだけなのはなぜか? ハードウェアエンコーダを内蔵した10万円台前半のビデオデッキがあるのに、パソコン用のハードウェアエンコーダといえば業務用のもの(数十万円)しか売られていないのはなぜか? 「パソコンでTVの予約録画」というコンセプトが非常に素晴らしいものであることは、デスクトップVAIOの成功が証明しているというのに、なぜか? 予約録画に使うと場合、ハードウェアエンコーダがソフトウェアエンコーダとは比較にならないほど優れていることは明らかなのに、ソフトウェアエンコーダばかりなのはなぜか?
 さまざまな理由が考えられるが、それをここに書くのも虚しい。だが、ひとつだけ確かなことがある――ビデオデッキのない世界、CMを見ずにすむ世界は、必ずやってくる、ということだ。

3月1日

 電撃G'sマガジンの読者参加企画「Sister Princess」の誌上ゲームを見た。
 以前とはシステムが違うらしいので、成功しているかどうかはわからないものの、消去法を使わせるとはうまい手だと思う。キャラ全員をよく把握しないと正解にたどりつけない仕組みだ。が、まるで公務員試験の知能問題のような気がするのは私だけか。
 また、「Milky Album」の人気投票結果が面白い。たったあれだけの情報でも、得票数に10倍以上もの開きが出るのだから恐ろしい。最適化の重要さを思い知らされる。なお私の分析は、
・変人が強い
・ツインテールが強い
 である。
 また今月号で発表になった新メンバーの人気順位(ただし小学生の4人のみ)を予想すると、まず1位・立花真白は堅い。天才と金持ちと貴族が強いのは、時と場所と性別を問わない。2位が藤原樹と森下潤未の争いだが、藤原樹を推す。4位は綾瀬美緒。見どころは2位争いと、20歳の二人がどこに食い込むかである。小学生が強く見えるのは、でじことCCさくらのもたらす錯覚だと私は見ているが、どうなることか。

 

今月の標語:

「まきものは あなたを すくうろおる」


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