この作品は、開始からしばらくは百合だったのに、主人公(晶)は男にうつつを抜かすわ、恋人(まゆ)は中国の僻地をさまようわ、まゆには無関係な重要な役(昂)が目立つわで、いったんは脱落した私である。
が、久しぶりに読んでみると、昂が死んでいた。これは吉兆である。残った柏木はまゆの父親なので、まゆと柏木の対決でオチをつける変化が残ったからだ。
刑務所を出所したまゆを晶が出迎える――というラストはさすがにもう期待していないが、まゆと晶で最後にもう一山ありそうだ。
(もう誰も覚えていないかもしれないが、まゆは母親を殺している)