2006年05月09日

今日のGoogle

 かつて帝政ロシアには、「よい皇帝・悪い皇帝」という信仰があった。
 政府のやりかたがひどいのは、皇帝がたまたま悪いか、あるいは皇帝の取り巻きが皇帝を騙しているからだ。取り巻きが失脚するか、あるいは皇帝が善人に交代すれば、物事はすべてよくなるだろう――ある種の救世主願望であり、問題を解決せずにいるための信仰である。こういう信念のことを「保守的」という。
 皇帝の善意をあてにするのは、どう考えても、いっぱしの大人のやることではない。では、どうすればいいか。
 近代、ここで道は2つに分かれた。
・三権分立式:行政府を法律で縛り上げて、おかしなことができないようにすればよい。立法府は行政府よりもずっと小さくて非専門的なので、民主的なコントロールが行き届きやすい
・レーニン式:行政府自体を徹底的に縮小して非専門的な仕事にしてしまい、官僚を廃して労働者に置き換えればよい
 歴史の教えるところでは、レーニン式は、まともに試されることさえなかった。レーニンは、公約を果たすことよりも、自分の権力を維持するほうを選んだ。つまりレーニン式とは、俗耳に入ることだけを狙ったデマゴギーだ。
 問題は、この嘘が効果的だったということだ。
 というわけで今日のGoogleは三本立てである。
人治国家
法三章
人治国家+法三章

Posted by hajime at 2006年05月09日 01:20
Comments