ある種の作家は気違いが商売なので、なにをしても驚くには値しない。自衛隊駐屯地に突入してハラキリした、くらいまでいって、やっと驚くに値する。
というのはもちろん、坂東眞砂子の煽りにマジレスの一件だ。
もし坂東眞砂子が日本に住んでいる――それも門番つき執事つきの豪邸ではなく、普通の公団住宅に住んでいるのだったら、私はその蛮勇に打ち震え、著書の一冊も手に取っただろう。想像を絶する嫌がらせが待っているのを知りながら露悪したその情熱に、善悪を超えて、感動しないわけにはいかない。このあまりにも愚かしい情熱は、子猫の命どころか、人間の命よりも尊い。
しかし坂東眞砂子はタヒチ在住だ。
それで私はなんの興味も持たなかった。普通にかわいい女や、ぶっ壊れた女は大好きだが(両方ならなお結構)、普通に気持ち悪い女には用はない。
普通の気持ち悪さを理解したい人はこちら
だが、今回の壮大な煽られっぷりをみるかぎり、普通に気持ち悪い女への需要は多いらしい。世の中のたいていの趣味は理解したい私だが、こればかりは理解したくならない。