新條まゆが休載である。が、前号には「次号休載」の表記がない。落としたのか、では誰が代原なのかと思って調べたところ、どうやら代原はひとつもない。今回掲載の読み切り3本は、前号の次号予告に載っているのだ。では「次号休載」の表記を忘れたのか。よくわからない。
さて第24号のレビューにいこう。
・池山田剛『うわさの翠くん!!』連載第8回
あらすじ:彼氏役(司)がツンデレぶりを発揮。3週間後に、主人公(翠)の学校との練習試合があると予告。
体の動きがやはりつらい。たとえば15ページ、翠の動きがサッカーっぽくない。こういう動きを描いて、サッカーがうまいということにされても、まったく説得力がない。
採点:★★☆☆☆
・織田綺『LOVEY DOVEY』連載第10回
あらすじ:学園祭で彼氏役(芯)といい感じ。
画面が華やかで、いつもより迫力がある。
このレビュー開始以来初めて、眼鏡が肯定的に描かれているのを見た。もう少しオシャレなデザインだったら、なおよかった。
採点:★★★☆☆
・くまがい杏子『はつめいプリンセス』連載第8回
あらすじ:発明品を誤動作させて彼氏役(はじめ)が記憶喪失に。
もう記憶喪失かよ! という突っ込みを一応しておく。
だいぶ描線が整理されて見やすくなってきた。画面構成にはまだやりようがあると思うが、背景がろくに描けていない現状ではこれが精一杯か。
採点:★★★☆☆
・悠妃りゅう『恋するふたりの蜜なやりかた』連載第3回
あらすじ:よくわからない。
たとえば8、9ページで、彼氏役(嵐)が「触んな」と発言したのはなぜか。画面構成からいって、あとで理由が説明されそうなところだが、なんの説明もない。「そういう性格」というのなら、複数の例を示す必要があるし、画面構成でもっと軽く扱う必要がある。
採点:★☆☆☆☆
・麻見雅『ぷら・クラ』読み切り
あらすじ:塾講師とくっつく。
麻見雅は、どこがどう話になっているのかわからない話を描くことが多い。今回も途中まではそんな雰囲気だったが、オチ一発でなんとかまとめた。
採点:★★☆☆☆
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第31回
あらすじ:逞に死の影。頼登場。
話は普通に進んでいるだけだが、画面構成とネームの迫力が素晴らしい。根性を見せてもらった、という感じだ。
ところでカルテの横文字は普通ドイツ語と聞いているが、どうか。
採点:★★★★★
・水瀬藍『HAPPY*BIRTHDAY*CHRISTMAS』読み切り
あらすじ:年下の彼氏役とクリスマスをめぐってじたばた。
話は微妙によくわからないし、画面構成もこなれていないが、なにやらすごい情熱と素直さに圧倒される。
採点:★★★☆☆
・車谷晴子『アイドル様の夜のお顔』連載第4回、次回最終回
あらすじ:彼氏役に徹底的にやさしくしてもらう。
最終回に一波乱でまとめるつもりなのだろう。一球外してきた、という展開である。
採点:★★☆☆☆
・水波風南『狂想ヘヴン』連載第5回
あらすじ:彼氏役(蒼以)と乃亜の事情が判明。
親の職をネタに脅されていた、という例のパターンだ。よくあるパターンなのだが、支配を覆すときにどう始末するか悩ましい。
乃亜の報復を封じ込めてケリをつけるには、乃亜本人の気高さに頼るか、相互確証破壊を確立するか、乃亜の報復能力を無効化するか、この3通りしかない。最初のは乃亜の怪物性を弱めるので話として弱い。あとは非常に生臭い話で、あまり少女まんが向きではない。どう始末するかお手並み拝見だ。
採点:★★☆☆☆
・あゆみ凛『保健室のヒミツ・』読み切り
あらすじ:女アレルギーの校医に迫る主人公。
いろいろ平仄が合っていて、話として完成度が高い。「女アレルギー」がお約束からもう一歩深く描いてあったりする。この一歩の距離感が非常に重要だ。彼氏役の魅力にも自然な説得力がある。画面構成はまだ頑張れそうだが、全体に好感が持てる。
採点:★★★★☆
・しがの夷織『めちゃモテ・ハニィ』連載第11回
あらすじ:執事喫茶でイチャイチャ。
まだイチャイチャ展開を引き伸ばすつもりらしい。
採点:★★☆☆☆
・千葉コズエ『7限目はヒミツ。』最終回
あらすじ:よくわからない。
これまでレビューしてきて、3回連載は非常に難易度の高いものだとわかってきた。3回に分けるということ自体が、話の構成を難しくしているのではないかと思う。根拠はないが、2回か4回連載なら、もっと構成がラクになりそうな気がする。
採点:★★☆☆☆
第14回に続く