ふろくがブーブークッションだった。
どう反応すればいいのか、思いつかない。呆然としている。
さてふろくは棚に上げて、新年第2号のレビューにいこう。
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第33回
あらすじ:昂が逞を挑発。
昂がらみの含みを捌きにきた。同時に頼を前面に押し出すつもりだろう。
少コミの連載はめったに10巻を超えない。ここから先に照がらみの含みを捌くなら、おそらく逞の死を描くことになるので、そこに1巻以上は要る。いま6巻なので、昂と頼の使いどころは3巻未満しかない。だいぶ忙しいはずだ。さてどうなるか。
採点:★★★☆☆
・池山田剛『うわさの翠くん!!』連載第10回
あらすじ:試合中にいちゃつく主人公(翠)と彼氏役(司)。ハーフタイムに司が翠を押し倒す。
相変わらず絵がサッカーでないのはいいとしよう。連載全体としてどんな話なのか、さっぱりわからなくなってきた。要するに恋の障害はなんなのか。
採点:★☆☆☆☆
・伊吹楓『感じるすぺしゃるオーダー』新連載第1回
あらすじ:惚れた男をお目当てに、ホストクラブもどきの喫茶店でのバイトに挑戦。
因果関係や感情の流れが、猛烈にギクシャクしている。たとえば、彼氏役の固有性を描くうえで、7ページ目のような手はない。「フィクションにない手」とはこのことだ。
そもそも、彼氏役の固有性を説明すること自体、フィクションにない手だ。
アンジェリーク型の美形並列をやると、彼氏役の固有性が気になるのは確かだ。が、そこは話の展開で解決するところであって、説明するところではない。たとえば、彼氏役はもともと別の喫茶店でバイトしていたが、あるとき引き抜かれて新しい店に行ってしまい、主人公はそれを追いかけてきた、という話にすればいい。
採点:★☆☆☆☆
・新條まゆ『愛を歌うより俺に溺れろ!』連載第21回
あらすじ:新年会で馬鹿。
連載回数の「21th」――いつかやるだろうと思っていたが、やはりだ。
採点:★★☆☆☆
・しがの夷織『めちゃモテ・ハニィ』連載第13回
あらすじ:旅行先で、彼氏役(大輝)の旧友(理恵)に出会う。理恵の連れが主人公に迫る。
彼氏役・彼女役の非固有性は、少女まんがの永遠のテーマだ。主人公の彼氏役は、別のときには別の女を彼女役にしているだろう――このテーゼは、それこそ彼氏役を殺さないかぎり、常に正しい。
これは正面きって扱うには非常に手ごわいテーマで、納得のいく話を見た記憶がない。しかし作者はこういうところで腕が立つので、なにか面白いものが見られるかもしれない。
採点:★★☆☆☆
・水波風南『狂想ヘヴン』連載第6回
あらすじ:主人公(水結)と彼氏役(蒼以)が結ばれる。それを知ってしまった当て馬(夏壱)に乃亜が近づく。
乃亜をこう使うということは、かなり先まで乃亜でひっぱるつもりか。
採点:★★★☆☆
・くまがい杏子『はつめいプリンセス』連載第10回
あらすじ:借金をネタに彼氏役(はじめ)に迫る女が登場。
発明品(読者応募のもの)のスケールが手ごろで、使い方も小気味よい。オチも楽しい。ようやく調子が出てきたか。
採点:★★★★☆
・水瀬藍『神様の恋愛定理』読み切り
あらすじ:主人公と彼氏役がお試しでつきあう。
ツカミなどで細かく頭を使っているが、全体として印象が弱い。
採点:★★☆☆☆
・織田綺『LOVEY DOVEY』連載第12回
あらすじ:クリスマスイブのイベント。敬士がアピール。
ここ何回か、ただいちゃいちゃしているだけなので、そろそろ飽きてきた。
採点:★★☆☆☆
・みつき海湖『終わらない恋を囁いて』読み切り
あらすじ:主人公がノートに書いていた恋愛小説を教師に見られ、体験指導される。
ヘテロで非エロの恋愛小説は、作者自身との当たりが厳しいので、小娘が書こうとする代物ではない。エロかBLのほうが説得力がある。この点、すぎ恵美子『♂と♀の方程式』はさすがだった。すぎ恵美子の読みの深さは、こういうところにも表れている。
体験と創作がうんぬん、という話を書く作家自身は、どういう意識でいるのだろう。
採点:★☆☆☆☆
・小田切渚『君とセカンドラブ』読み切り
あらすじ:振られたばかりの主人公が、別の男と仲良くなる。
11ページ目、…水上バイク…? メカ描けないってレベルじゃねーぞ!
あまりのことに哀れを催したので、採点はしない。
・悠妃りゅう『恋するふたりの蜜なやりかた』最終回
あらすじ:彼氏役の一家が遠くに転勤することになり、別れを惜しむ二人。
ごくごく無難にまとめてきた。
採点:★★☆☆☆
第16回に続く