2007年02月06日

少コミを読む(第17回・2007年第5号)

 すれっからしの私から、いたいけな読者諸氏に、ひとつ忠告する。
 雑誌の投稿欄の記事がみな本物の投稿文だと思ってはいけない。往々にして編集プロダクションのでっちあげだ。特にエロ投稿文は、十中八九が編集プロダクションのライターによる捏造だと思っていい。
 エロ文章はあるフォーマットに厳格に従っている。このフォーマットから逸脱すると、滑稽で荒んだ感じの文章になる。そしてほとんどの素人は、このフォーマットに合わせて書くことができない。だから素人の投稿文は役に立たない。そこで編集プロダクションのライターが、よくても大幅な修正、悪ければ捏造をする。
 では第5号のレビューにいこう。

 
池山田剛『うわさの翠くん!!』連載第12回
 あらすじ:振られ役(カズマ)のアピールタイム。
 少女まんが的に難しいところ(たとえばサッカーは難しい)はちっともないのに、迫力に欠ける。
 どこがどうまずいと指摘するのは難しいが、とりあえず、主人公の胸の描き方はどうか。記号的に描かれている胸では、それを見てしまう男も記号的になる。
 採点:★★☆☆☆
 
くまがい杏子『はつめいプリンセス』連載第12回
 あらすじ:主人公(しずか)が惚れ薬を間違った相手に飲ませてしまい、彼氏役(はじめ)が一苦労。
 オチのつけかたがいい。得がたいバランス感覚だ。
 採点:★★★☆☆
 
・車谷晴子『極上男子と暮らしてます。』連載第2回
 あらすじ:主人公を真面目に口説く彼氏役。
 相変わらず関連性と因果関係の厚みに乏しい、散漫な話だ。たとえば、彼氏役の行動パターンが変化した理由が、それまでの自己中心的な行動パターンとあまり整合しない。
 採点:★☆☆☆☆
 
しがの夷織『めちゃモテ・ハニィ』連載第15回
 あらすじ:ケーキ教室に通う主人公()。その講師をしたパティシエが愛に惚れる。それを見抜いてリアクションを取る彼氏役。
 この作者のネタ振りを真面目に拾う気にはなれないので、適当に読んでいる。
 採点:★☆☆☆☆
 
・咲坂芽亜『姫系・ドール』連載第2回
 あらすじ:コンテスト用のレディースのデザインに挑戦する彼氏役。一山あって主人公と相思相愛に。
 話は普通だが、絵のテンションがおかしい。作者に精神的になにかあったのかと思わせる。
 採点:★★☆☆☆
 
織田綺『LOVEY DOVEY』連載第14回
 あらすじ:「恋愛禁止」の校則を徹底しようとする当て馬()が登場。
 前回登場のとあわせて、6話くらいかかるような大作戦をやるつもりだろうか。
 採点:★★★☆☆
 
・水波風南『狂想ヘヴン』連載第8回
 あらすじ:彼氏役(蒼以)が乃亜に公然と逆らう。それと並行して、乃亜に操られていた当て馬(夏壱)が正気に戻る。
 蒼以が乃亜に逆らうときのセリフが、第5回の描写と矛盾している。乃亜の報復能力はハッタリだと蒼以は言うのだが、乃亜の報復能力の確かさは、蒼以の親の反応によって裏付けられている。報復能力というのは戦略核兵器と同じで、たとえ相手の能力が多少疑わしいとしても、それを実戦で試すには、相当な無謀さが要る。
 構成からみて、乃亜をこれ以上引っ張るとはあまり思えないが、もし引っ張るのなら、乃亜の報復能力が本物でしかも発動すると面白い。これは夏壱が仲裁役として使える展開になる。
 採点:★★★☆☆
 
青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第35回
 あらすじ:交通事故でが死んだ?
 いちおう「?」とはしてみたものの、ここから夢オチだの取り違えだので生きていたことにするのは、演出的に無理がある。の死のときも、これくらいの演出で普通に死んだ。
 構成的にいえば、照の死と呼応することになるので、ありえない手ではない。しかし具体的にどう展開するのか、わからない。前回に妄想したとおりに、が野郎ばかり三人でうじうじと死んだ二人のことを回想する、という展開になったら神だ。
 採点:★★★★☆
 
・あゆみ凛『恋なんかじゃない!?』読み切り
 あらすじ:互いに男女を意識していなかった幼馴染の主人公と彼氏役が、意識して結ばれる。
 「型にはまって嬉しいな」思想=DQN=右翼=スターリニスト。
 採点:★☆☆☆☆
 
新條まゆ『愛を歌うより俺に溺れろ!』連載第23回
 あらすじ:秋羅にライバル登場。
 やっと連載回数が「23rd」になった。
 採点:★★☆☆☆
 
・悠妃りゅう『はずかしいほど、キミと』読み切り
 あらすじ:主人公は地味な委員長眼鏡っ子(理子)、実はグラビアアイドル(こころ)。片思いの彼氏役はこころのファンだが、あるとき理子がこころだと見抜く。
 今までの作品に比べて、目覚しく進歩している。眼鏡をまともに使っている。整合性や流れもいい。
 採点:★★★★☆
 
・伊吹楓『感じるすぺしゃるオーダー』最終回
 あらすじ:主人公が彼氏役と結ばれる。
 特にどうということもなく普通に終わった。
 採点:★★☆☆☆
 
第18回に続く

Posted by hajime at 2007年02月06日 04:17
Comments

thank you so mcu for those wonderful informations~~~I had juz saw 狂想ヘヴン 第6-7回,and 僕の初恋をキミに捧ぐ 第33-34回,love it so much(>w<)/heehee^^ I wanna go to Japan if i have time,the sho comi comes out very late in the US(=_=)!NOOO~but anyways because of u i got lots of informations~so love ya~and thank you for posting those information~~~(^o^)

Posted by: at 2007年02月06日 14:12

thank you so mcu for those wonderful informations~~~I had juz saw 狂想ヘヴン 第6-7回,and 僕の初恋をキミに捧ぐ 第33-34回,love it so much(>w<)/heehee^^ I wanna go to Japan if i have time,the sho comi comes out very late in the US(=_=)!NOOO~but anyways because of u i got lots of informations~so love ya~and thank you for posting those information~~~(^o^)

Posted by: at 2007年02月06日 14:13

http://www.myspace.com/emmaleili----->my page,welcome!!!~and sorry for posting the two same comments~i don know if i post two of these again~anyways sorry~and love ya for postinf the sho comi informations~heee~

Posted by: at 2007年02月06日 14:36

はじめまして、いつも少コミレビュー読ませていただいてます。
「僕の初恋を~」のあの展開はとても驚きました。まさか本当に繭が死ぬとは思っていなかったので・・・これからの展開が楽しみなところです。
男三人でうじうじもなかなかいいですね。
(僕妹のような終わり方じゃなければいいのですが)

Posted by: aya at 2007年02月06日 18:25

蕾さん、ayaさん、こんにちは。
まったくもって僕キミは目が離せない展開です。
長編の終わり方は、作家の個性が出るところなので、ayaさんの願いどおりにはいかないかもしれません。

Posted by: 中里一 at 2007年02月08日 01:16