タダほど高いものはない――電子メールのことだ。
予言しよう。いまから100年後、2107年2月11日にも、人類はまだ電子メールに依存している。
人々が受け取るスパムの量は10^4倍に増加している。つまり全メール流量の99.999...%はスパムだ。
その文面も、人工知能によるスパムフィルターを突破するべく、これまた人工知能を駆使して書かれたものになる。よくできたスパムを、文面からだけでスパムと見分けることは、まったく不可能になる。
あらゆる障壁を突破して人々が読んでしまうスパムの量は、10~40倍に増加している。メールアドレスを名刺に書くことは、スパムの検討に毎日2時間を費やすことに等しくなる。なのに電子メールの利用率は現在と変わらない。
小手先のスパム対策でメールをはじくISP(hotmail、yahoo)に対策するため、メールサーバの設定は極度に難しく流動的になり、個人や小規模団体がメールサーバを運営することは完全に不可能になる。
誰もが嬉々としてスパム対策のコストを支払い続けて電子メールを延命する現状をみるかぎり、こうした未来は確実に――QWERTY配列が永遠に続くのと同じくらい確実に訪れるだろう。