この半年ばかり、少コミは全体として、作品の質が改善傾向にある。新條まゆが去り、看板の僕キミももうすぐ終わるということで、作家と編集者の士気が高揚しているのではないかと当て推量している。
僕キミ終了後の看板は誰が取るか、確率で予想してみた。あくまでも看板を取る確率であって、実力とはそれほど関係ない。
青木琴美:60%
水波風南:20%
蜜樹みこ:3%
藤中千聖:3%
水瀬藍:3%
白石ユキ:2%
車谷晴子:2%
くまがい杏子:1%
池山田剛:1%
咲坂芽亜:1%
織田綺:0.5%
千葉コズエ:0.5%
悠妃りゅう:0.5%
藍川さき:0.5%
その他:2%
個人的には織田綺・藤中千聖・白石ユキを応援しているが、少コミ読者の大多数には別の意見があるだろう。
では2008年第8号のレビューにいこう。
・蜜樹みこ『蒼いキセキ』新連載第1回
あらすじ:水泳部のエースに惹かれて、同じ水泳部に入った主人公。
ページ数が無駄に多い。展開がもっさりした印象を受ける。
採点:★★★☆☆
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第60回
あらすじ:愁嘆場。
エモい。
採点:★★☆☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第15回
あらすじ:当て馬(滉士)がアピール。
「当て馬が努力するが報われない」というのが旋回軸になるのだろうか。
採点:★★☆☆☆
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳』連載第2回
あらすじ:新婚旅行でわだかまりを解く。
画面も話も微妙にぎこちない。
採点:★☆☆☆☆
・水瀬藍『だから、俺にしなよ』連載第3回
あらすじ:彼氏役(奏多)が当て馬(秀悟)の車(主人公(陽菜)が乗っている)を追跡するが逃げられる。奏多は陽菜を口説いてから、不良仲間の生贄に突き出す。
このまま普通にピンチ連発まんがになるのだろうか。少々もったいない。
採点:★★★☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第13回
あらすじ:主人公(つばき)はイメージチェンジに成功。彼氏役(京汰)について「女に裏切られたトラウマがある」という情報を得る。
「最初ガングロで登場する」という展開の小技が手堅くうまい。
採点:★★★☆☆
・池山田剛『うわさの翠くん!!』連載第38回
あらすじ:主人公(翠)と当て馬(カズマ)が翠の故郷でひとときを過ごす。翠が彼氏役(司)といるとき寝言で「カズマ」と言ってしまう。
ようやく終わりかと思ったのに、新しくネタを振ってきた。まだ続くのか。
採点:★★☆☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第7回
あらすじ:彼氏役(桃)は黒髪に変装して秘密の夜遊びをしていた。桃が主人公(羽里)にくちづける。
桃の事情(海外進出予定)が微妙に軽くてバランスが悪いような気がする。
採点:★★★☆☆
・車谷晴子『危険純愛D.N.A.』連載第14回
あらすじ:主人公(亜美)と彼氏役(千尋)の関係を、学校で周囲に公表。
オチは海外か、あるいは「そして十年後」か。いい手が浮かばない。
採点:★★★☆☆
・千葉コズエ『24 COLORS』連載第4回、次回最終回
あらすじ:主人公(七風)と彼氏役(ちはや)の思いがすれちがうが、絵を介して通じ合う。
現代美術の制度・市場やマスコミを風刺しつつ美学と美術史の世界を垣間見せてくれる本格芸術家まんがを描いてやろうという気違いはいないものか←絶対にいません。
採点:★★★☆☆
・白石ユキ『そこはうさぎの森』読み切り
あらすじ:主人公はバイトで家政婦をしている。ある日、オレ様男(彼氏役)の家に仕事に行く。
彼氏役の美意識をめぐる葛藤(芸術家なのに俗悪なウサギグッズが好き)をもっと押し出したほうが鮮やかになりそうだ。これを恋愛の俗悪さとリンクさせれば、本格芸術家まんがの旋回軸になりうる。
採点:★★★★☆
・大谷華代『レンアイ活用ブログ式』読み切り
あらすじ:彼氏役はツンデレ。ネットでデレ、リアルでツン。
彼氏役に魅力が乏しい。
採点:★☆☆☆☆
第44回につづく