2008年07月21日

AVN Digital Magazine 2008 July, "The New Wave of Lesbian Erotica"

 アメリカのポルノ業界誌『AVN Digital Magazine』の7月号が、「The New Wave of Lesbian Erotica」なる記事を載せていたので、一部を訳してみた。

 すべてはGirlfriends Filmsから始まった。Girlfriends Filmsは、初のレズビアンビデオ専業studioである。Dan O'Connellが6年前に始めたこのベンチャー企業は、安定成長を続け、模倣者を生み出し、ニッチを超えた影響力を発揮している。
 Sweetheart Video、Abigail Productions、Femme Fatale Pictures、SMG Videoが販売するインデーズレーベル(Triangle, Bellezza, Purrrfect)――いくつかのレーベルにはGirlfriendsの元関係者がいる――、これらはlesbian eroticaのニューウェーブの表れにほかならない。
 これらの会社の作品は、伝統的なgirl-girl(いわゆる「lipstick lesbian」。男との絡みをやらない女優を出すための作品を含む)ビデオとは大いに異なる。「ニューウェーブ」作品は、リアリズムの要素を備えており、セールスポイントも異なる。
(訳注:lipstick lesbian: 女性ジェンダーに忠実なレズビアン像)
 Girlfriendsのビデオを見れば誰でも、それが古いgirl-girlものとは断絶していることがわかる。
 物語があり、充実した前戯があり、女たちはお互いに情熱的であるように描かれ、たまにstrap-onが使われるほかには性具はめったに出てこない。真の情欲、直感、ロマンスもしばしば。最初から恋愛感情があるように見えるカップルもいる。
(訳注:strap-on: 張形を股間に取り付ける性具。いわゆるペニスバンド)
(訳注:chemistryを「直感」と訳した)
 レズビアンポルノは、少なくとも1980年代半ば以降、ずっと強いジャンルだった。これはBruce Sevenが扇情的なall-girlビデオ――激しい絡み、大げさな性具、ロマンス抜き――をでっち上げたときに始まった。(BelladonnaはSevenの真の後継者だが、彼女はSevenのやりかたに女性的なタッチを加えて広めた。彼女のレズビアンビデオは独自のニッチにある)
 1990年代には、Vivid VideoのJanine LindemulderがレズビアンSMの女王様として売り出したが、1998年にVince Neilとの情事のホームビデオが流出してから、Janineは方針を変更した。
(訳注:この段落はかなり意訳)
(訳注:Janine Lindemulder: ポルノ女優。デビューからしばらくは男との絡みをしなかった)
(訳注:Vince Neil: 有名なミュージシャン)
 「私が始めたときには」GirlfriendsのO'Connellが回想して言う、「このジャンルでは誰も目立っていなかった」。
 2001年ごろ、ほとんどの会社はgirl-girlのラインを1本は持っていたが、Danによれば、「どこも本当にうまくはやれていなかった。ここに注力しようという人は誰もいなかったと思う。どこも資金不足か、関心がないか、そういう状態だった」
 「我々がモダンなレズビアンジャンルを始めたのだと思う」
 O'ConnellはGirlfriendsのやりかたを要約して、「我々が顧客に提供するのは、実際にお互いに楽しんでいる女、女が好きな女だ。女たちが直感で通じ合うのを、あなたはよく目にする。キスするのを見、タッチして見つめあうのを見る。こうしたことが演出できていれば、そのシーンはおそらく機能している」
(以下、Sweetheart Video、Abbywinters.com、SMG Video、Abigail Productionsへの取材が続く。
 取材の回答者はみな、性具を使わないことについて「女優の集中力を殺ぐ」などの理由をあげた。
 Abigail Productionsは、レズビアンまたはバイセクシャルの女優だけを使って、レズビアン向けビデオを作っている。顧客には男性が多いが、経営者は気にしていない。
 これに対してDan O'Connellは、Girlfriendsの主な顧客は男性であると確信している。「女性向けビデオを作れば、男性がついてくる」は彼がよく唱えるスローガンだ)

 この記事にはその「ニューウェーブ」作品の広告が載っているが、どうも「lipstick lesbian」と大差があるようには見えない。おそらくニューウェーブ前の作品というのが、笑顔のマネキン2体がプロレスしているかのごとき代物だったのだろう。
 ともあれ、Girlfriends Filmsの作品は一瞥の価値くらいはあるかもしれない。

Posted by hajime at 2008年07月21日 02:51