2008年第16号のレビュー。
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第21回
あらすじ:彼氏役(京汰)の取り巻きたち(女)が、「京汰には告白してはいけない」というローカルルールを主人公(つばき)に押しつけて暴行する。つばきは、京汰との関係をバラしたのは友人(深歩)だと考え、取り巻きたちに暴行させるためにバラしたのだと考える。つばきはこの件で深歩を罵倒する。しかしこれはつばきの誤解だった。
この問題の解決をめぐって当て馬が登場してアピール、という展開を予想しておく。
採点:★★★★☆
・車谷晴子『ぜんぶ ちょーだい』連載第2回
あらすじ:主人公(姫恋)は彼氏役(蓮)をひざまづかせるために、体育祭で特別に一対一の勝負を挑む。姫恋は恋愛感情のうえでは、蓮をひざまづかせることに意義を感じていないが、プライドがそれを求める。姫恋は一対一の勝負に敗れ、蓮は姫恋に何事かを命令しようとする。
平たく進んだ。
採点:★★☆☆☆
・市川ショウ『犬じかん』新連載第1回
あらすじ:主人公(梨紅)は犬好き。彼氏役(潤)の家が大型犬を飼っているのを知って押しかけてゆき、それがきっかけで彼女になる。
読み切りに使うような話だが連載だ。途中で旋回軸を見失うと予想しておく。
採点:★★★☆☆
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳 2nd Season』連載第3回
あらすじ:彼氏役(辰牙)は当て馬(天理)に嫉妬し、「もう会うな」と言うが、主人公(珠姫)は反発する。天理が珠姫のピンチに登場してアピールし、「辰牙はお前の過去を否定している」と主張。
当て馬登場以前とはまるで別人のように切れ味のいい話だ。
話はいいのだが、彼氏役も当て馬も、アピールが粘着質で重たい。
採点:★★★★☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第23回
あらすじ:主人公(夏美)と彼氏役(翼)は遭難中、洞窟内でいちゃつく。最後に救出される。
連載を引き伸ばしたいだけにしか見えない。
採点:★★☆☆☆
・あゆみ凛『恋愛教習所』新連載第1回
あらすじ:主人公(蘭)は男とうまくいったためしがない。次の狙いは学年一の色男(北斗)だが、前途多難の予感。そんなとき主人公は、夜中の教室で「恋愛教習所」なるものが開かれているのに出くわして参加するが、友人はそんなものは知らない、ありえない、という。しかし北斗は知っていて隠しているらしい。また教習所の教官も、北斗のことを知っているらしい。
非の打ちどころがない。絵としての面白さ、小道具の効果的な使い方、主人公の欠点、彼氏役の秘密、などなどを破綻なくきっちりと盛り込んでいる。
採点:★★★★★
・咲坂芽亜『ギャル華道』連載第4回
あらすじ:彼氏役(楓)は、主人公(つぼみ)の亡母の弟子であり、亡母との約束によりつぼみを指導していると判明。つぼみは反発するが、楓はつぼみに恋を告白。
主人公の心理過程が無理筋だ。
採点:★★☆☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第15回
あらすじ:彼氏役(桃)と主人公(羽里)はラブホテルに入るが寸止め。桃が当て馬(飛鳥)に嫉妬していると告白。最終ページで、不吉な成り行きの予感を漂わせる。
ぐだぐだしている。
採点:★★☆☆☆
・白石ユキ『きっと明日もあさっても』読み切り
あらすじ:主人公と彼氏役は幼馴染。彼氏役が転校(引越しはナシ)すると聞かされて、急に彼氏役との関係を意識しはじめる主人公。
オチが弱い。
採点:★★★☆☆
・千葉コズエ『君と恋におちる魔法で』連載第5回
あらすじ:彼氏役(奈津)の父親(店のオーナー店長)が戻ってきて、店を以前の姿に戻すが、奈津はそれを不服として、父親に勝負を挑む。
彼氏役が別の店を立ち上げて終わり、と予想しておく。
採点:★★★☆☆
・華夜『ご褒美あげる・』読み切り
あらすじ:彼氏役は生徒会長で主人公は副会長。主人公は、学園祭のミスコンの優勝賞品として、彼氏役からのキスを設定する。そこで彼氏役は主人公に「お前が優勝しろ」と要求してあれこれやらせる。
画面構成にメリハリがない。
採点:★★★☆☆
・水瀬藍『だから、俺にしなよ』最終回
あらすじ:彼氏役(奏多)と当て馬(秀悟)の暴力対決を主人公(陽菜)が食い止め、和解させる。
釈然としなさ満点。「なるほど、こうか」と腑に落ちるような点がまったくない。
採点:★☆☆☆☆
第52回に続く