2008年第17号のレビュー。
・蜜樹みこ『恋想のアリア』新連載第1回
あらすじ:主人公(アリア)は孤児だが、あるとき超VIPの婚約者になり、猛烈な勢いで命を狙われる身となる。アリアを守るためにボディガード(彼氏役、カノン)がやってくる。
車や初老の人物をバンバン描くところは評価したい。話はやや含みに乏しい。
評価:★★★☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第22回
あらすじ:彼氏役(京汰)の取り巻きたちが主人公(つばき)に引き続き圧力をかけるが、つばきの友人(深歩)の助けもあり、京汰が介入してつばきをかばう。それでもつばきと深歩は仲直りできない。
当て馬登場の気配はない。私の予想は外れた。思えば当て馬なしの長期連載とは珍しい。
評価:★★★☆☆
・池山田剛『うわさの翠くん!! 番外編』読み切り、過去の連載の外伝
あらすじ:登場人物たちが適当に幸せに後日譚。
どうでもいい。
評価:★☆☆☆☆
・咲坂芽亜『ギャル華道』連載第5回
あらすじ:主人公(つぼみ)は彼氏役(楓)の仕事を手伝おうとするが、うまくいかない。
彼氏役に魅力がない。
評価:★☆☆☆☆
・あゆみ凛『恋愛教習所』連載第2回
あらすじ:主人公(蘭)は教官の指導を受けるうちに、教官にも気持ちが傾く。蘭が彼氏役(北斗)と事故でキス。北斗が蘭に告白し、改めてキスしようとして、その動きが教官とそっくりなことに気づく。
さすがに第1回ほどの完成度はない。
展開が平たい。3回連載の害を感じる。
評価:★★★☆☆
・市川ショウ『犬じかん』連載第2回、次回最終回
あらすじ:主人公(梨紅)と彼氏役(潤)がいちゃつく。
露骨に捨て玉にしてきた。3回連載の害をかわす手として正しい気がする。
評価:★★★☆☆
・車谷晴子『ぜんぶ ちょーだい』連載第3回
あらすじ:彼氏役(蓮)は主人公(姫恋)にまだなにも命令しない。悪役(男、桐麻)登場。桐麻と蓮が、姫恋への命令権をめぐって争う。
登場人物が増えた。重い形なので、おそらく最善手だ。しかしここから捌ける形を作るのは難しいし、そもそもこの作者には捌きのセンスがない。
評価:★★☆☆☆
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳 2nd Season』連載第4回
あらすじ:セックスをめぐってうだうだ。
「周囲の悪意、それも嫉妬」「初めてのセックスの前にぐだぐだ」「泣き事をわめく主人公」などなど、少コミ的な見苦しいものが揃い踏み。あとは「主人公以外の女はみなゴミ、男はみな素敵」というミソジニーが揃えば完璧か。
評価:★☆☆☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第24回
あらすじ:主人公(夏美)が彼氏役(翼)と結ばれようとするが、当て馬(滉士)に引きとめられて翻心。
主人公を引きとめる当て馬の情けなさが見落とされている。このへんの見落としが、当て馬の味の薄さと直結しているような気がする。
評価:★☆☆☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第16回
あらすじ:学園祭。主人公(羽里)は当て馬(飛鳥)を憎からず思い、彼氏役(桃)に内緒のデートの約束をする。
相変わらず旋回軸が見えない。
評価:★★★☆☆
・ミヤケ円『純度100%の恋魂』読み切り
あらすじ:主人公が彼氏役に、一週間テスト期間としてつきあってほしい、と告白。テスト期間と意識しながらいちゃつく。
彼氏役に魅力がない。
評価:★☆☆☆☆
・千葉コズエ『君と恋におちる魔法で』最終回
あらすじ:彼氏役(奈津)の父親は、挑まれた勝負を論外として受けないが、店がうまくいっていないことを認めて、主人公(みこ)のやりかたで売らせる。それを見て父親は、奈津に店を半分貸すことにして終わり。
前回の老女でデウス・エクス・マキーナをやるのかと思ったが外れた。
やはり少コミではデウス・エクス・マキーナは禁じ手なのか。彼氏役と主人公のカップルが万能でなければならない、という縛りでもあるのかもしれない。
評価:★★★★☆
第53回につづく