先週、小学館の謝恩会に行った。受付で芳名帳を見たら、なんと織田綺先生の署名が。思わず「おおっ」と唸った。
では2009年第2号のレビュー。
・池山田剛『好きです鈴木くん!!』連載第9回
あらすじ:主人公(爽歌)は当て馬(佐藤)との事故キスを彼氏役(輝)に目撃された。演劇部のイベントで舞台の上から爽歌が輝に告白。
平たく進んだ。
評価:★★★☆☆
・蜜樹みこ『恋、ひらり』連載第2回
あらすじ:主人公(純恋)は彼氏役(佳月)と同じクラスに転入する。純恋は佳月の女たらしぶりを見て警戒するが、佳月は純恋に言い寄る。
彼氏役の人物像が、「女たらし」の部分でアイディアに欠ける。
「彼氏役の人物像がアイディアに欠ける」というのは、少コミ作家の陥るダメパターンのなかでも最大最悪のものだ。今のところは読ませるが、雲行きは怪しい。
評価:★★★★☆
・千葉コズエ『ひとりぼっちはさみしくて』連載第5回
あらすじ:主人公(詞央)と彼氏役(直)は原宿を楽しむ。詞央は路上ライブに飛び入りしたところ好評、「そんな男(直)は捨てて、うちのヴォーカルにならないか」と誘われる。
ようやく展開が読めてきた。上記の誘いは冗談だろうが、あっという間にチャンスをつかむ詞央とそうでない直→「お前は先に行け」で二人は田舎と東京に→数年後、直もミュージシャンになってめでたしめでたし、か。
……と思ったが、彼氏役が万能でない話は少コミでは許されないかもしれない。まだわからない。
評価:★★★☆☆
・真村ミオ『セツナユキ』新連載第1回
あらすじ:お手軽に男と遊ぶつもりで友達とスノボ旅行に行く主人公。スノボに打ち込む無愛想な彼氏役と出会い、お手軽気分ではいられなくなる。
よく練れていて手堅い。アクには欠ける。
評価:★★★☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第31回
あらすじ:主人公(つばき)は彼氏役(京汰)の家を訪れるが、いろいろあったのちキスどまり。
いちゃいちゃを演出するうえでは、やはりセックスしないほうが有利か。
評価:★★★☆☆
・水瀬藍『センセイと私。』連載第8回
あらすじ:主人公(遥香)はバイト先で、訳ありげな年上の女性(同じ学校の生徒、アキラ)と知りあうが、アキラは彼氏役(篤哉)と訳ありの関係だった。
アキラの演出(特に29ページ目)が光る。
評価:★★★★☆
・藍川さき『僕から君が消えない』連載第6回
あらすじ:友人(ユカコ)に目撃されたのがきっかけで、主人公(ほたる)は彼氏役(康祐)に「やっぱり先生が好き」と宣言。対して康祐は、当て馬と弓道で勝負して「もし負けたら諦める」と宣言するが、勝ってしまう。
ユカコの人物像の味が薄いので、ドラマが盛り上がらない。
評価:★★☆☆☆
・白石ユキ『プラスチック・ガール』連載第4回
あらすじ:彼氏役(ピエール)はフランスの元有名モデルだった。ピエールを探していた女(静流)もやはり有名モデルで、ピエールを仕事に連れ戻そうとする。主人公は成り行きで静流とオーディションで勝負することになる。
静流や審査員にいい味が出ている。
16ページ目のフランス語は、中途半端にいい加減なのがつまらない。
評価:★★★☆☆
・織田綺『恋ノ花咲ク』読み切り
あらすじ:主人公は園芸部員だが不器用で花を枯らしてばかりいる。同じ部員の彼氏役に助けてもらって好きになる。
主人公に比べて彼氏役の影が薄いのが気になる。
評価:★★★☆☆
・咲坂芽亜『ギャル華道』最終回
あらすじ:生け花の流派のイベントに出る主人公(つぼみ)。彼氏役(楓)に助けられて、妨害にもめげず、自分の力を広く認めさせる。
最終回なのに、主人公の障害として「悪意の妨害」を持ってくるのは、オチとしての爽快感を削ぐ。
評価:★★☆☆☆
・銀ノ橋倫『あまいあまいキスをして。』読み切り
あらすじ:キスがうまいと評判の遊び人(彼氏役)と事故キスした主人公。それがきっかけで彼氏役は主人公に言い寄る。
画面構成は整っているが、話と人物像がアイディアに欠ける。
評価:★★☆☆☆
・市川ショウ『空色恋色』最終回
あらすじ:バレンタイン、同級生たちに励まされて、主人公(空)は彼氏役(陽来)にチョコを渡して告白する。
話としてはうまくまとまった。しかし、こういうオチをつけるにしては、同級生たちの人物像の味が薄すぎた。
評価:★★★☆☆
第62回につづく