2009年02月22日

Sho-Comi(少コミ)を読む(第64回・2009年第6号)

 付録が読み切り3本。微妙な差だが、夜神里奈がベストか。
 では2009年第6号のレビュー。

 
水波風南『今日、恋をはじめます』連載第34回
 あらすじ:主人公(つばき)が携帯を買う。初めての携帯で、つばきは距離感がわからず振り回される。
 いまどきの定番テーマを手堅く展開。
 評価:★★★☆☆
 
・咲坂芽亜『カワイイだけじゃモノ足りない!』連載第2回
 あらすじ:主人公(アリス)のモデル事務所にはまだ借金が残っていた。返済のために彼氏役(雷斗)は仕事を取ろうとするが、移籍前に所属していたモデル事務所が妨害する。
 「仕事の妨害」という障害が、主人公と彼氏役の関係という焦点に対して関係が薄く、そのため話が盛り上がらない。
 評価:★★☆☆☆
 
・くまがい杏子『苺時間』連載第3回
 あらすじ:主人公(市子)は、初恋の男の子(隼人)との思い出の品を大切に持っていた。彼氏役()は隼人のことを知っており、思い出の品のことも知っているが、市子には黙っている。
 やや変化球のネタを振ってきた。これを連載の締めくくりで解決するなら面白いが、すぐに解決するのだとつまらない。
 評価:★★★☆☆
 
池山田剛『好きです鈴木くん!!』連載第12回
 あらすじ:デートの続き。
 平たく進んだ。
 評価:★★★☆☆
 
水瀬藍『センセイと私。』連載第10回
 あらすじ:転落事故は二人とも軽傷で済んだ。しかし彼氏役(篤哉)は怪我のため記憶障害を起こし、ライバル(アキラ)が恋人だった時に戻ってしまう。
 悪手。同じ記憶喪失でも、アキラが死ぬほうの展開を選ぶべきだった。僕キミのときといい、少コミは「死者がライバル」という展開を嫌うのか。
 評価:★★☆☆☆
 
・蜜樹みこ『恋、ひらり』連載第5回
 あらすじ:彼氏役(佳月)と主人公(純恋)が恋人同士になる。二人のデートを佳月の父親が目撃して咎めるが、佳月は意に介さない。
 アイディアが足りない。
 評価:★★☆☆☆
 
・華夜『雪咲・恋咲』連載第2回
 あらすじ:主人公(雪姫)は彼氏役(大翔)と同じバイト先で働き始める。ライバル(香織)にいじめられるが、大翔がかばってアピール。
 作品全体に、恐ろしく上っ面な気配がする。作者はこれを描くときに、「この展開は面白いのか? たとえつまらないとしても最善手なのか?」という疑問を抱かなかったのではないか。
 評価:★☆☆☆☆
 
藍川さき『僕から君が消えない』連載第9回
 あらすじ:主人公(ほたる)、彼氏役(康祐)、当て馬()、友人(ユカコ)の4人は部活の合宿に行く。前回の件のため、ほたると康祐の関係はぎこちないが、康祐は内心、よりを戻したいと思っている。
 アイディアが足りない。
 評価:★★☆☆☆
 
千葉コズエ『ひとりぼっちはさみしくて』連載第8回
 あらすじ:主人公(詞央)を押し倒した男は途中でやめ、彼氏役()の動機を解説する。直はメールで詞央を応援し、あらためて決別を告げる。
 あまりにも納得感に乏しい。いったいどんな制作過程を経るとこんなことになるのか。
 評価:☆☆☆☆☆
 
・ホンゴウランコ『テクノポップ展示会』読み切り
 あらすじ:主人公は少女まんがを描いて投稿しているが、腕はさっぱり。ダサイ変人の彼氏役(漫研の腕利き)と知り合い、彼氏役の片思い(相手は主人公とは別人)をテーマにした作品を描くのに協力する。
 すぎ恵美子の短編『雪・ゆき・ストーリー』と同系統の妙な話。いまひとつ突き抜けきれていない。少コミの制約の中ではこの路線は厳しいか。
 評価:★★☆☆☆
 
・高川ゆな『キミの流れ星』読み切り
 あらすじ:主人公が幼馴染と結ばれる。
 アイディアが足りない。
 評価:★★☆☆☆
 
・ミヤケ円『ワタシの隣にキュートな君』最終回
 あらすじ:彼氏役(湧士)は当て馬()の行動を察知し、罠にかけて追い落とす。
 ごちゃごちゃしている。
 彼氏役の解決策が、あまり気持ちのいいものではなく、すっきりしない。
 評価:★☆☆☆☆
 
第65回につづく

Posted by hajime at 2009年02月22日 20:47
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