テキストファイルをテキストエディタで編集する――そんな時代は終わったのかもしれない。
まず、「ファイル」という概念が没落しつつある。
・iTunes
・iOS
・Android
・たいていのWebアプリ(ブログ、Gmailなど)やクラウドサービス(Evernoteなど)
これらのUIには、「ファイル」という概念がない。たとえあっても、「ファイルの編集」という操作は存在しない。
「テキスト」という概念も、どうやら愛されていない。
・蛇蝎のごとく嫌われていたはずのHTMLメールが消えるどころか今も主流
・Evernoteには書式なしのノートがない
「ファイル」という概念には容量の上限がない。だから「テキストファイル」の長さには上限がなく、「テキスト」もやはり無限に長くなりうるのが当然、という常識があった。しかし、
・ポメラは28000字が上限
・NEC N-08Bのテキストエディタは5000文字が上限
・Twitterは140字が上限
これらは偶発的なものだろうか。特に前二者は、15年前なら絶対に通らない話だった、と断言する。「テキストファイル」「テキストエディタ」という概念はここまで弛緩したのだ。
だが、まだ決定打ではなかった。
テキストの末尾に移動するショートカットキー(WindowsのCtrl+End)が、AndroidのEditTextにはない――これを知ったとき、私は天下の秋も知った。