大相撲の幕内力士の体脂肪率は25%程度、というのは有名な話だ。日本人男性18~39歳の平均が19%程度なので、それに比べれば太っている――と言えるのだろうか。
下の図をご覧いただきたい。横軸がBMI、縦軸が体脂肪率。集団は1994年アメリカの20~79.9歳の男性である。フリーハンドの線は私が書き加えた。出所はWikipedia。
普通人の平均は紫の線、アスリートは緑の線。さて、幕内力士の体脂肪率25%は、平均的男性の19%と、単純に比較できる数字なのだろうか。幕内力士のBMIは平均45だという。
体重を増やす・減らすとき、紫の線と平行に移動するのはきわめて容易であり、垂直に移動するのは恐ろしく困難だ。BMIはもちろんのこと体脂肪率も、この困難をダイレクトに反映する数字ではない。
もし、茶色の矢印の方向を示す指標があれば、それは体脂肪率よりも「太っている・痩せている」をよく反映する数字になるはずだ。
スポーツ業界には、ぜひこのような指標を策定してほしい。