赤衣丸歩郎『仮面のメイドガイ』を読んだ。
少コミを読む前に、これを読むことをお勧めする。少コミよりも面白い、どころではない。いま日本で一番面白いまんがだ。
少コミとはなんの関係もない話が終わったところで、第17号のレビューにいこう。
・池山田剛『うわさの翠くん!!』新連載第1回
主人公(翠、女)がサッカーのプレイヤーである。体を動かしている絵が多くなると思うが、どれくらいちゃんと描けるかが見所だ。第1回をみるかぎり、誇張を意識しない絵ではかなり描けているが(カラー3ページ目)、誇張を意識すると悪い(34ページ目)。地味な動きを自然に描いてほしい。それに、息のあったコンビを描くには、個人が無茶なスーパープレーをするよりも、普通のプレーが完璧につながるほうがいい。
とりあえず次回が気になる。
採点:★★★☆☆
・しがの夷織『めちゃモテ・ハニィ』連載第4回
ようやく保護者役が動いた。主人公に手を出して、彼氏役と衝突である。
近親ものが好きな人は保護者役を使いたがる傾向にあるが、この手は見た目より難しい。権力の問題にぶつかるためだ。語ることは権力的な行為であり、権力問題について語ることは常に自己言及的になる。つまり、難しい。
採点:★★☆☆☆
・藍川さき『恋愛上々↑↑』連載第2回
ネームは十分わかりやすいが、無駄が多い。魅力的なもの、見るべきところ、つまり「売り」のないままページを無駄に消費している。
最初に見たときよりはずっとよくなっているが、まだ本誌で読みたい人ではない。
採点:☆☆☆☆☆
・くまがい杏子『はつめいプリンセス』第2回
絵とネームがわかりづらい。
採点:★★☆☆☆
・咲坂芽亜『ラブリー・レッスン ~お金がない編~』連作読み切り
これまで読んだこのシリーズのなかでは一番いい。ネームの流れがよく、勢いがある。扱っている題材も切実だ。
しかし、いろいろと踏み込みが足らない。第13~15号の連載は、この題材でやったほうがよかっただろう。
採点:★★★☆☆
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第24回
照が死んだ。
男塾よろしく三途の川を徳俵にして最強の一撃を繰り出すかもしれないと思っていたが、なかった。ポジション的には重要(繭から逞を奪った女)なのに、雑魚キャラのままで死んでしまった。これでは奪られた繭が雑魚に見えてしまう。
少コミで10巻以上の連載はほとんどない。この連載はいま4巻まで出ているので、すでに後半、それもあと3巻くらいしかないだろう。照を、死人としてうまく使うには出し遅れだ。
どうにも辛い展開だ。とっとと終わらせて次に行くほうがいいかもしれない。
採点:★☆☆☆☆
・天音佑湖『恋敵は子猫ちゃん・』連作読み切り
華やかな舞台と画面でいちゃいちゃしている。
それはそれでいいのだが、「なにが起こるかわからない」という感覚、真剣勝負の緊張感がない。ページをめくったら、「よもや卑怯とは言うまいね」と書いてありそうな、そんなヤバさが欲しい。
採点:★☆☆☆☆
・織田綺『LOVEY DOVEY』第3回
彼氏役が主人公を侮辱するような態度をとっていいのは、ぜいぜい3回までだ。侮辱は人間関係の堅固な基盤たりえない。
そもそも根本的に、主人公にも彼氏役にも魅力がない。
採点:☆☆☆☆☆
・新條まゆ『愛を歌うより俺に溺れろ!』連載第13回
まず誤植から。扉の連載回数が間違っている。今号は第13回のはずだ。なぜこうも飽きずに間違えられるのか、本当に不思議だ。
もうひとつ。最終ページのアオリの「対象的」は漢字が間違っている。まんが家がネームの日本語を間違えるのは仕方ないが(そもそも量が多い)、編集者の入れるアオリが間違っているのは辛い。
今回のあらすじ:水樹は自宅でついに秋羅と結ばれるか、というところで、水樹の兄が帰宅してきて鉢合わせ。
まだ13回にしては登場人物が多すぎるような気がする。バンドのメンバー、秋羅のおまけ二人、そして今度は水樹の兄ときた。何号か前の『まんがアカデミア』で、昔の作風をちらっと語っていたが、なるほどと思える。
採点:★★☆☆☆
・市川ショウ『AとBの事情。』読み切り
絵があまりにガタガタなので、このレビューを書くまで読まずにいたが、読むとなかなか面白い。ネームはしっかりしているし、男にそれなりに魅力がある。
なお、占い等をネタにするときには、「実は星座が違ってた」「実は血液型が違ってた」というオチをつけることを勧める。
採点:★★☆☆☆
・わたなべ志穂『ご指名! ホスト教師J』最終回
なんだか意味がわからなかった。
採点:☆☆☆☆☆
第7回に続く