懸賞ハガキの当選者発表には、面白い名前が多くて楽しい。この号では「紗璃」と「こすも」が面白い。
「〈子〉のつく名前の女の子は頭がいい」という話がある。子のつく名前は年とともに減っているので、読者の年齢層が違うと比較は難しいが、より低年齢層の雑誌の当選者発表と比較すると、なにかわかるかもしれない。
……と思って、子のつく名前を数えてみた。304人中28人。1994年生まれ全体の子のつく名前の割合は5%(つまり女子の10%)というから、かなり無作為抽出に近い。有意な結果を得るのは難しそうだ。
では2008年第11号のレビューにいこう。
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第16回
あらすじ:彼氏役(京汰)が女遊びをやめて、主人公(つばき)といちゃつく。
平たく進んだ。
採点:★★☆☆☆
・藍川さき『委員長の秘メゴト』連載第2回
あらすじ:彼氏役(悠人)と主人公(彩乃)はライバル役の妨害工作を切り抜ける。彩乃の母親が、悠人の親の素性(暴力団)を知って問題にする。
彼氏役の魅力があまり出ていない。
採点:★★☆☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第10回
あらすじ:彼氏役(桃)が主人公(羽里)を抱くと宣言。
話に進展がない。
採点:★★☆☆☆
・池山田剛『うわさの翠くん!!』連載第41回
あらすじ:彼氏役(司)が主人公(翠)に、「オマエが愛しているのはカズマ(当て馬)だ」と主張して別れを告げる。
展開が無茶で楽しい。おそらく、とんでもないオチがつくだろう。
採点:★★★☆☆
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第63回
あらすじ:逞に、ほとんど前例のない術式の手術を受けるチャンスが巡ってくる。昂の心臓はまだ動いている。手術前に逞は繭の両親に、「手術前に繭と結婚させてください」と願い出る。
見えた! 見えたよアニキ!
「全力で生き延びようとしない奴に娘はやれん」
→絶望して1巻冒頭のシーン
→照のネタを放り込む
→逞は改心して移植手術を決意、昂の遺族を説得
→繭と結婚
→手術直前で完。心臓移植の予後(あまり芳しくない)をモノローグで説明するとなおよし。
カンペキダ!
照のネタが具体的になんなのかまでは読めないが、おそらく作品全体がこの一発のために構築されているので、作者はかなり自信があるだろう。
採点:★★★☆☆
・蜜樹みこ『蒼いキセキ』連載第4回
あらすじ:彼氏役(藍)が主人公(アゲハ)の部活(水泳部)をサポートし、アゲハはみるみる上達する。
いい流れだ。
採点:★★★☆☆
・咲坂芽亜『Honey*Witch』読み切り
あらすじ:サリー型魔女っ子の主人公が、彼氏役の家に押しかける。
よくわからない。
採点:★☆☆☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第18回
あらすじ:大会に向けて盛り上がる。
旋回軸もクソもなく、ひたすら迷走している。
採点:★★☆☆☆
・水瀬藍『だから、俺にしなよ』連載第6回
あらすじ:主人公(陽菜)が彼氏役(奏多)とデート、告白。陽菜は当て馬(秀悟)のところにお見舞いに行き、自分はまだ秀悟のことが好きだと自覚する。
奏多を彼氏役と書いたが、わからなくなってきた。
第一印象の男が彼氏役でない作品は非常に珍しいが、その例になるか。
採点:★★☆☆☆
・服部美紀『代理彼女宣言!』読み切り
あらすじ:彼氏役は一年前に彼女(と主人公は思い込んだが実は飼い犬)をなくしている。主人公はその身代わりを務める。
展開にアイディアがなく、猛烈にぎこちない。
採点:☆☆☆☆☆
・車谷晴子『危険純愛D.N.A.』最終回
あらすじ:主人公(亜美)と彼氏役(千尋)は周囲と和解。それから数年後、二人は結婚しており、子供がいる。
特にオチもなく終わった。
採点:★★☆☆☆
第47回につづく