中里一日記: 2013年06月 Archives

2013年06月29日

本田和子『子どもが忌避される時代』(新曜社)

 本書には大きな違和感を覚えたので、途中で読むのをやめた。
 著者はあまりにもしばしば、自分の「感覚」「体感」のみを根拠として、その自分の「感覚」「体感」を書いている。人間のすることはみなどこかで必ず本人の「感覚」「体感」につながっているが、それ以外の根拠を持たない行為はたいていが個人的なものだし、公の行為としては胡散臭い。著者の主張が間違っているとも的外れとも思わないが、なにしろ根拠がしばしば本人の「感覚」「体感」だけなので、「それは間違ってさえいない」という次第である。
 というわけで以下は私の「感覚」「体感」を書く。

「子ども」の出生に関しても、またその養育に関しても、徹底した自己決定権が行使可能だとすれば、「産まれてきた子ども」もまた、両親の意志と決断の産物として、「親に属す者」とされざるを得ないからである。眼前にいるこの「子ども」は、自分たちが産むことを決断し、産まれるべく行為した結果として、いまここに存在している。こうした前提が、意図せざる意図として親たちの意識の底に流れているとしたら、巷間に非難の高い「親のエゴイズム」も、それなりに当然と肯定せざるを得まい。(61ページ)

 

 ここでいう「親のエゴイズム」は、たとえばDQNネームとして現れる。「公共空間ではなく親子の親密空間のために子供の名前があるのだから、親にとってキラキラと輝くような名前でないと、子育てが楽しくなくなってしまう」。もちろんこういう心理は今に始まった話ではないし、DQNに限った話でもない。たとえば森茉莉という名前が当時どれほど「親(=森鴎外)にとってキラキラと輝くような名前」だったか、そして森茉莉にとって「パッパ」がどんな存在だったか。
 ここからが本題。
 この自己決定権は、親にはエゴイズムを、社会には「親の責任」をもたらす。
 自由のあるところには責任が生じる、とされる(「される」? しているのは誰か?)。「産まない自由」がある以上は「産んだ責任」がある、となる。
 この責任は、住宅ローンの数倍は厄介だ。住宅ローンが払えなくなった人には、自己破産という道がある。親の責任には、少なくとも現在の日本では、自己破産に相当する道がない。親の責任を住宅ローンと同列に論じるのは悲しい話だが、DQNネームに象徴されるような親のエゴイズムが当然のものとして受け止められる一方で、親の責任がロマンティックなものでありつづけると期待するのは難しい。
 ロマンティックなものとしての親の責任とはどんなものか。たとえばーーあるシングルマザーが、男についてゆくために、幼い我が子を捨てる。そのシングルマザーが男に捨てられて、「母性」に目覚めて舞い戻ってくる。幼子の世話を押し付けられた人々は、のこのこ戻ってきたシングルマザーを非難することもなければ養育費を請求することもなく、それどころか聖書の放蕩息子の物語のように歓迎パーティーを開いて喜ぶーーというようなものだ。なお、この物語において「幼子の世話を押し付けられた人々」とは納税者であり、あなたもその一員だ。
 親の責任にも自己破産に相当する道を用意すべきだ、という議論は現実的ではある。しかし、これほど乱暴な手段が、住宅ローンの自己破産よりも盛んに行われるとは思えない。あったほうがいいが、ほとんどのケースでは役に立たないだろう。
 いったいどこで間違ってしまったのか。
 
 私の答えーー「自由のあるところには責任が生じる」というルールを、不適切な領域にまで適用してしまっている。
 成文法と裁判、貨幣、選挙、これらはみな人為的なルールであり、ある種のゲームと見なせる。人為的なルールであるからには、別のルールがありうるし、現行のものより優れたルールもありうる。英米法は今でも成文法と判例を同等に扱う。かつては貨幣といえば金貨と交換できるはずのものだった。選挙は通常、複数の立候補者や政党のうちひとつを選んで投票用紙に書く(択一投票)というルールでなされているが、有権者各人がすべての立候補者や政党を5段階で採点する(採点投票)というルールもあり、こちらのほうが多くの面で優れているものの、既存の国会議員(全員が択一投票で当選した)にとっては不都合だという致命的な欠点がある。
 「自由のあるところには責任が生じる」というルールも、人為的なルールであり、ゲームの中にしか適用できない。そのゲームの範囲は、上に列挙した領域すべてを合わせたよりも広く、公の領域全体とほぼ等しい。
 そして、出産と養育は、このルールが適用されない領域に属する。あるいは、属するべきである。
 DQNネームのような親のエゴイズムは、すべての心ある人々に、痛ましさーー出奔中の放蕩息子が父親にもたらすような痛ましさをもって受け止められるべきである。納税者は、捨てられた幼子の養育費ばかりか、舞い戻ったシングルマザーを歓迎するパーティーの費用をも、有人宇宙開発への支出と同じように喜んで担うべきである。どちらも経済的なリターンを期待しない、人間のロマンティックな性質を満たすための支出なのだから。
 壮大な夢想ではある。だが不可能とは思わない。

Posted by hajime at 00:39 | Comments (0)

2013年06月03日

今月の俺Twitter

「コンセプトモデル」の紹介記事を見るたびに「なめんなコラ」とキレる私をキレさせる最新のテクニックといえば「クラウドファンディング」。MorphyOneどころか永久機関レベルの、明らかに投資詐欺なシロモノの紹介記事を見かけたのは一度や二度じゃない。



「回す側(=電気モーターやエンジン)を作っても儲からない、回される側(=モーターやエンジンを利用する機械)を作れ」という話を聞いたことがある。これに対して投資詐欺はどういうわけか、回す側、上流の話をしたがる。発電とか。あれってなんでかね。


MorphyOneと永久機関の山を踏み越えて突進するクラウドファンディングのあの資本主義力は、たぶん日本にはない。


FDの台座を内側に6mmちょいずらして、クランクにtriplelizer http://store.interlocracing.com/cotrch.html をつけて、Qファクターはダブルのままでトリプルクランクにすることを妄想中。50-36-28は多分かなりいい。現在持ってるフレームでは無理なので、やるとしたら12s時代に入って買い替えるとき。


ただ、FDの台座はこれから規格が変わりそうな気がする。12sになったときに「34.9mm径のシートチューブにはつきません」てなことになったら泣ける。34.9-28.6=6.3だからこそ内側に6mmちょいずらせる計算なわけで。



ウェブためのユニバーサルなバイトコード? そんなもんはHotJavaがぽしゃったあの日に永遠に失われたよ http://www.infoq.com/jp/news/2013/06/javascript-browser-bytecode


前にも言ったけど、Webブラウザ級の巨大なソフトウェアには、専用の言語とコンパイラがあってしかるべきだと思う。今どきのWebブラウザはUNIX v7より桁違いに巨大。専用の言語がないほうがおかしい。


ツールド熊野でヴィーニファンティーニがチームぐるみでドーピング検査逃れを試みて成功 http://www.cyclingquotes.com/news/vini_fantini-selle_italia_apparently_dodged_doping_control_in_tour_of_kumano/ このアホなドーピングコントロールオフィサーと、レース主催者のスポーツプロデュース熊野から事情聴取して報告&注意喚起してください>JADA


この人、数年前には「すぐに政治家稼業に飽きてメンヘって辞めるんじゃないの」と思ってたけど、案外頑張ってる http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37924 まだ何年かは粘りそうで困る。


石原慎太郎の例を見ると、選挙に出さえすればたぶん何度でも勝つ。石原は暴言連発に加えて新銀行東京までやらかしたのに勝った。だから石原と同じように、本人が飽きて辞めるのを待つしかない。


第三者が二人も不正行為を証言してるのに、不正を疑われている当事者の話だけ聞いて「俺は信じた。お前も信じろ」って一体 http://www.cyclowired.jp/?q=node/110085 私は東京都のオリンピック招致に反対します。JADAは信用できない。こんな連中に検査をさせたら、陽性祭りのない「クリーン」なオリンピックになる。


JADAが怪しいと思う情況証拠がひとつ http://mainichi.jp/area/news/20130522ddn035050052000c.html


この選手には、「この手が通用する」という確信があったとしか思えない。ドーピング業界には、「JADAにはこの手が通じる」という話が広まっている可能性さえある。


5MP PB更新。301W。これでやっと5W/kg。


Logicoolのタッチパッドのt650を買った。ポインティング自体はマウスより優れているくらい。しかし誤動作が多すぎる。


2本指スクロールするとポインタが動く or スクロールもポインタ移動もしないケースが15%くらい、ポインタ移動時に意図しない1.5クリック(クリック直後にダウンでホールド。ドラッグとして動作する)が3%、タップを認識しないケースが5%くらい発生する。


ボタンもホイールもないタッチパッドでマウスを置き換えるのには無理がある。逆に、ボタンとホイールがあれば相当いける。


今おそらく世界で一番クールな弁当箱はこれ。絶対に汁漏れしないのがポイント。日本未発売。弁当箱で負けるんだから日本経済も沈むわけだ。


Surface Proを見てきた。熱い。没。Windows CEをものにできなかったMSの罪は果てしなく重い。バルマーがいまだにクビにならないのはどういうこと?


Bernerのプーリーで1.76Wゲット http://www.bikeradar.com/gear/article/friction-facts-bigger-pulleys-really-are-more-efficient-37615/ やはり6.8kgまで軽量化するほうが優先順位が高い。当たり前か。


エスビーのスパイスの小瓶は、魔法のようによくできてる。別にどうってことないと思うなら、あの小ささ・コスト・密閉性を兼ね備えた容器(中身が空の、容器として売られている商品)を探してみるといい。どこにもないから。


人をなめくさった欠陥品と、魔法のような傑作の違いは、運命の瞬間がくるまでは、絶対にわからない。そして、わからないからといって損得が生じないわけではない。人をなめくさった欠陥品は、「手間取る」「かさばる」という形で無用のコストを発生させる。運命の瞬間がくるまでは、そのことに気づかないだけで。


「スポンサードリンク」という文字列を見ると、ニチレイのミネラルウォーターを思い出す。日本国内で開催されるAクラスのフィギュアスケート大会の選手しか飲めないスペシャルなドリンク。


TVアニメのRDGで「世界遺産なみに貴重」という表現を聞くと、「世界遺産なんて年に26件も増えるんだから、メジャー競技のオリンピック金メダリストのほうが圧倒的に貴重なんじゃないの」と思ってしまう。高橋尚子や野口みずきの何分の一かの有難さかー、と。もしかして原作は妖怪オリンピックが始まってからが本番?


むしろ関数型でないやりかたでDBを常に正しく扱える人間がこの世に何人いるのか http://www.infoq.com/jp/news/2013/06/database-value トランザクションの分離やロックを、パフォーマンス上の都合と両立させながら、常に正しく扱うって、明らかに人間の知能を超えた問題だと思う。


フルームがクリーン団体から除名 http://velonews.competitor.com/2013/06/news/bike-pure-removes-froome-ahead-of-tour_292019 過去18か月のあいだのパフォーマンスについての説明(パワーメーターのログ等)を出さなかったため。しかも説明を出さなくなったのは2012年12月、つまり2011年12月までは出していた。やはり2012年シーズンのSKYは…


海外で有名な日本の人形といえばgeisha dollらしい。日本語では「尾山人形」が近いが、イコールではない。


System→V、OS→X、ではX→?


Googleマップの衛星写真がよくなったと聞いて、日本の田舎を見てみた。ただの森がしっかり最高解像度で写ってる…と思ったが、奥多摩周遊道路のあたりは相変わらずイマイチ。


アームストロングがマクエイドとフェルブリュッヘンを睨んだ http://www.cyclingnews.com/news/mcquaid-to-armstrong-i-have-nothing-to-hide とはいえ戦力不足か。スポンサー側の誰かを攻め落とさないことには…


巷で噂のブロックピリオダイゼーションをやってみた http://www.joefrielsblog.com/2013/04/another-block-periodization-study.html 88% MaxHR強度で6x5minを5日連続って、そんなん完遂できたら全日本選手権に出られるわ!


関節その他の末梢にはダメージがなく、ポリモーダル受容器のシグナルで脳だけがピンポイントで焼ける感じがするので、もし完遂できれば効果は相当ありそう。トレーニングは突き詰めると攻殻機動隊の世界です。


it was the third-fastest time recorded for the 7.8km climb to the Pyrenean summit. http://velonews.competitor.com/2013/07/news/chris-froome-says-sport-has-changed-and-hes-100-percent-clean_294032 さてアルプデュエズのトップ200を見てみようか。こういうリストの3番目にランクインねーへーへーへー。フルームがクリーンだと信じるよりはサンタクロースの実在を信じるほうが圧倒的に気が利いてる。


フルームのBike Pure問題は続く。there are very few people who can properly interpret and understand that data. http://velonews.competitor.com/2013/07/news/qa-brailsford-on-why-froome-wont-release-power-data_293771 まあアームストロングを何百回検査しても陽性が出なかったんだけど。

Posted by hajime at 21:45 | Comments (0)