長官銃撃、時効後の「オウム名指し」に批判
公安警察とはどんな組織か。
戸高公徳
JFK暗殺陰謀論のなかに、「FBIが組織防衛のためにやった」というバリエーションがある。上司が邪魔で暗殺とは笑止な話だが(お役所にとっては邪魔な上司のあしらいは日常業務だ)、こんな笑い話が出てくるのも、フーヴァー長官の不徳の致すところだ。
おそらく陰謀論界隈では、長官銃撃事件も同様のネタにされているだろう。公安警察関係者には、少しはものを考えてみることをお勧めしたい。
「非実在青少年」という文言に「だめだこいつら」とあきれたのは私だけではないはずだ。こんな連中を使わなければならないのだから、有権者も楽ではない。
とはいえ、そもそもこんな話が出てくるのは一体なぜなのか。
Googleサジェストはエロ関係の候補を出さない。そのために手作業で禁止ワードを登録している。これはたとえば新人AV女優の名前をチェックしてみるとわかる。デビューした瞬間は、名前の出所はポルノ業者だけなのに、候補に出るのだ。
さて、その禁止ワードリストには「セーラー」が含まれている。おかげで「セーラームーン」も候補に出てこない。女子学生の制服はエロ服というわけだ。おかしな話だが、おかしいのはGoogleだけなのか。
「セーラー服を着なくなってピタッと止まりましたもん」。
というわけで、私の主張を述べる。「18禁こそ制服禁止」だ。
規制を加える対象は18禁だけだ。18禁以外のところにはなんの制約も加えない。「18禁でなければ制服OK」だ。
非実在青少年案のもっとも異常なところは、「非実在青少年」といういかれた文言ではない。「18禁」と「一般」の2つへと表現を分割したうえで、「一般」に制約を加える、というところにある。
百歩譲って、分割までは認めるとしよう。たとえ行政が関与しなくても、ポルノ業者は18禁を設定する。たとえ規制が一切なかろうと、実写の本番が延々と続く動画は、なんらかのゲットーの中でしか販売できない。こっそりと外で売る輩も絶えないだろうが、表立って問題にならないように隠れていられるのなら、それは別種のゲットーの中だ。
ゲットーの存在に行政からのお墨付きを与えるかわりに、ゲットーの中で行われることに規制を加える、というのは政治的取引として理にかなう。
この取引は、ゲットーと行政が勝手に行うものだから、両者以外の誰も束縛しない。「一般」の表現をひっつかまえて「18禁」に閉じ込めるような真似はありえない。
現実問題としては詰めるべき点は多い。
取引相手のゲットーをひとつと想定すべきではない。お墨付きの内容はどんなものなのか。廃娼運動の尻尾の反対を押し切れるのか。
それよりさらに難しいのは、「18禁=非日常=法の外」というたぐいの発想と手を切れるのかどうかだ。18禁のように巨大で遍在する非日常などありえないのに、誰もがその巨大さ遍在ぶりに目をつぶっているかのごとき現在の状況は、非実在青少年案と同じくらい異常だ。これほどの異常が、ある日突然あっさりと消えてなくなるとは思えない。
ドストエフスキー『悪霊』を読んだ。
尻切れトンボがひどい。連載時に編集部の要求で削除された部分があり、それが尾を引いたものらしい。というわけで、完全版の展開を妄想してみる。
文学カドリールの日、ピョートルがリザヴェータをニコライのもとへ運んだ後から、ニコライ関係の展開がおかしくなる。リザヴェータとニコライの破局が腑に落ちないし、その後のニコライの失踪と自殺もよくわからない。ピョートルとニコライの対立もすっきりと決着しない。さらにはフェージカの結末もいまひとつ盛り上がらない。
まず、ピョートルとニコライが対決して決着をつける必要がある。ピョートルがニコライを殺す、それも激情のあまり後先考えずにやって、あっさりと官憲に追い詰められた挙句、フェージカに裏切られて殺される。フェージカはピョートルを殺す間際に例の説教をかます――というのが私の思いつくかぎりのベストエンディングだ。
このエンディングに持っていくにはどうするか。
ピョートルを激情に駆り立てるのは、削除部分にある告白文のばらまきだ。これによりピョートルのニコライ偶像化計画が不可能になる、それもピョートル自身のニコライ観が破壊されることによって不可能になるからだ。
リザヴェータとニコライの破局も、告白文のばらまきによって説明がつく。ニコライは事前にばらまきの準備を整えておき(手段は郵便かなにか)、文学カドリールの翌日に出回る。リザヴェータはニコライから告白文を見せられ、さらにはばらまき計画の進行状況を聞かされて絶望する、という段取りだ。
大詰めにニコライ vs ピョートルというビッグイベントが控えているので、シャートフとキリーロフの始末は手早く行われる。一日前倒しして、文学カドリールの翌日の夜だ。その同じ夜のうちにピョートルがニコライを殺す。こうやってピョートルを忙しくすることで、昨日は事態を思うままに操っていたピョートルが、今日は狂ったように事態に追い回されて破滅する、という構図ができあがる。
ニコライの死からピョートルの死までのあいだに、五人組がさらなる内ゲバを繰り広げると面白い。互いに密告を恐れて疑心暗鬼になり集団連続殺人だ。最後まで生き残るのはリプーチンがいい(とはいえ逮捕されて死刑確実)。
もっといい案もありうるだろうが、ともあれ原作の尻切れトンボはひどい。終盤をオリジナル展開にしたコミカライズなどがあればぜひ読んでみたい。
BL小説は、少数の大物(現役ではごとうしのぶ 、吉原理恵子)を除くと、どんぐりの背比べの混戦状態にある。誰が誰より売れるか、新刊ごとに入れ替わる。
最近、どんぐり達のなかから弓月あやがどうやら頭ひとつ抜け出した。
ネット上のデータを見るかぎり、BLの主流(速筆多作・王道シチュエーション)という以上のなにかがあるようには見えない。この路線での優位は長続きしないことが多く、かつて史上最強を誇ったあさぎり夕も今は見る影もない。BLでは速筆多作には毒があるように思われる。
ヌルオタとはなにか。オタク同士が「俺こそが真のガチオタ」とマチズモぶりっこして遊ぶときに、「このヌルオタめ!」と遊戯的に罵るのに使う言葉だ。それ以外の使い道はない。「トロツキスト」の類義語、とでも言おうか。人を「このトロツキストめ!」と罵る機会は今ではきわめて貴重だが、「このヌルオタめ!」と罵る機会ならいくらでも転がっている。
だから、「ヌルオタは~という理由により~しているのだ」という一般論を展開している人を見かけたら、オタク遊びの仲間に入れてもらえなかった可哀想な人だと思っておけばよい。
ピリオダイゼーションの1期間を終えたので、現状を記録しておく。この期間は、
・28日間
・ロングライド中心
だった。ワークアウトの量は、
・レジスタンストレーニング:2回
・5MPターゲット:2回
・60MPターゲット:3回
・ロングライド:6回
・TSS:3066
現在のベンチマーク:
・5MP 226W (PB・前期 235W)
・60MP 196W (PB・前期 194W)
5MPは些細なコンディションに大きく左右されるので、減少は気にしていない。ロングライドが多いと疲労が溜まっていてコンディションが悪い。
Golden Cheetah 1.3を導入したので、TSSを記録することにした。また、強度分類としてActive Recovery / Endurance / Tempo / Threshold / VO2Max / Anaerobic / Neuromuscularを使うことにした。
さて本題。
ずいぶん前から、ロングライドの効用に疑問を感じている。
過去に私のベンチマークが一番伸びたのは、一日おきに実走で90分間のThreshold / VO2Maxインターバルだけをやっていた時期だった。現在の環境では一日おきの実走は現実的でない(練習コースまで片道40分かかる)ので、実走はロングライドだけとなっている。
実走をロングライドに限って以降、トータルの走行時間や消費エネルギーは同等以上なのに、ベンチマークの伸びがぱったりと止まった。この記録をつけはじめたのも、これがきっかけだ。
環境が変わる前からも、ロングライドは効かないという漠然とした感触があったが、体系的に調べたことはなかった。ロングライドが多いと安静時心拍数が下がるので、長期的には効いているのかもしれない、という印象を抱いていたが、印象に反して現在のところ、前期に比べて安静時心拍数はほとんど下がっていない。
今後、半年くらいはロングライド中心の期間を設けず、ベンチマークの伸びがどうなるかを見てみたい。もしロングライドが長期的に効くのなら、次第に伸びが悪くなるはずだ。
次の期間は60MPターゲット中心。そろそろ200Wを超えたい。
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キッシンジャーによればリシュリューいわく、「人間は不滅であり、その救済は、いつの日か、あの世にある。しかし、国家は不滅ではなく、その救済は、今、この世にしかない」。嘘だッ!!! ……という話です(嘘です)。