心境は穏やかではないが、社会正義実現のためにやらざるを得ないという思いでやってきた
「法の厳正な執行のため」(本来は半年以内)とは言えず、「死刑囚の定員(約百人)の都合で」とも言いたくなくて出てきた言葉が「社会正義」なのだろう。
死刑囚の定員はただの前例であり、法律にはなんの定めもない。法務大臣が増やそうと思えばいくらでも増やせる。もちろん代償は大きいし、恩を売る相手としては死刑囚はおよそ最悪なので、野心ある政治家には到底お勧めできない。前例を守るのが穏当だ。
だが、お役所の前例を守ることは、どこまでもお役所の都合にすぎない。予算や能率とは関係があるだろうが、正義とはなんの関係もない。
そういうお役所の都合を「社会正義」と言い換える鳩山のやりかたは、決定的に正義に反している。
2008年第13号のレビュー。
・咲坂芽亜『ギャル華道』新連載第1回
あらすじ:主人公(つぼみ)は華道の家元の一人娘だが、家業を学ぼうとしない。そこで父親が、イケメンのコーチ(彼氏役、楓)を連れてくるが、つぼみは楓にも反発する。
ハッタリ命の作者なのに、そのハッタリが弱く、魅力に乏しい。
採点:★★☆☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第18回
あらすじ:主人公(つばき)と彼氏役(京汰)のデートは、トラブルがありながらも一応は順調に進むが、早めに切り上げようとする京汰に、つばきが「予定通りじゃない」と怒る。
作者の悪癖、「登場人物の心理がおかしい」が出てきた。つばきの予定マニアぶりが唐突だ。デート中にわざと頭からコーラをかけられて、激怒して即座に帰るどころかデートを続けてしまい、さらにその相手を「女あしらいがうまい」と思うよりはまだ納得がいくが。
採点:★★☆☆☆
・車谷晴子『辛口・革命』読み切り
あらすじ:主人公はクールなツンデレで、誰も見ていないところでデレている。彼氏役は主人公の一人デレをこっそり見ていた。
これといった難点もなくまとまっているが、印象が弱い。
採点:★★☆☆☆
・千葉コズエ『君と恋におちる魔法で』連載第2回
あらすじ:主人公(みこ)はパン屋の同僚に迎えられ、店になじむ。
パン屋の紹介。こういうことだけに連載の第2回を使ってしまっていいものか。
採点:★★★☆☆
・真村ミオ『僕らの世界で。』連載第2回
あらすじ:主人公(こころ)と彼氏役(波瑠)は、当て馬(櫂)の仕事に助け舟を出し、仲良くなる。櫂がこころを口説こうとするのを見て、波瑠が嫉妬する。
よくできているが、アイディアがもう一つ足りない。
採点:★★★☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第20回
あらすじ:彼氏役(翼)のサポートにもかかわらず、主人公(夏美)は大会で勝ち進めなかった。
前回は過去話で、連載をまとめに入ったのかと思ったが、今回を見ると、まったく終わりそうにない。
採点:★★☆☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第12回
あらすじ:当て馬(飛鳥)主人公(羽里)に言い寄る。
ようやく話が動いた。
採点:★★★☆☆
・池山田剛『うわさの翠くん!!』連載第43回、次回最終回
あらすじ:当て馬(カズマ)が主人公(翠)の告白を喜ぶ。翠と彼氏役(司)がサッカーの大舞台で対決。
作者はいったいどれだけ忠犬に執着があるのだろう。さんざん司とイチャイチャしていた翠を、たった2回で忠犬に引き取らせるとは。それも忠犬にはなんの屈託もなく喜んで、だ。『シグルイ』ワールドの侍も及ばない忠犬ぶりに、これは少コミではなくチャンピオンREDかと我が目を疑った。
全国20万の少コミ読者に、自分の性癖(忠犬嗜癖)を見せ付けるというのは、どんな気分がするものだろう。その点だけは作者がうらやましい。
採点:☆☆☆☆☆
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第65回、最終回まであと2回
あらすじ:結婚式。
ハッピーエンド縛りがなければこの流れは手術失敗だが、どうまとめるのか。
採点:★☆☆☆☆
・紫海早希『恋心・ツメコミ中』読み切り、ただし増刊の連作物
あらすじ:彼氏役と主人公のすれ違いと和解。
アイディアに乏しい。
採点:★★☆☆☆
・水瀬藍『だから、俺にしなよ』連載第8回
あらすじ:主人公(陽菜)は彼氏役(奏多)の学校を訪れ、楽しい時間を過ごす。しかし奏多は「別れよう」と言う。そこへ当て馬(秀悟)が乗り込んでくる。
一応、奏多が第一印象の男なので彼氏役と書いているが、結末はわからない。
絵が間に合わなかったのか、かなり手抜きになっている。
採点:★★★☆☆
・藍川さき『委員長の秘メゴト』連載第4回
あらすじ:家業(暴力団のシマの管理)に入れ込む彼氏役(悠人)、周囲との関係に悩みながらも悠人を愛している主人公(彩乃)。
これがヤクザ映画なら、彼氏役は主人公を突き放して別れて、自分はチンピラに刺されて死ぬ、くらいの展開になりそうだが、ハッピーエンド縛りの少コミではどうなるのか楽しみだ。
採点:★★★☆☆
第49回に続く
もしあなたが女性なら、いつか読書家の恋人(男限定)ができたとき、こう尋ねてみるといい。
「森見登美彦の『太陽の塔』って読んだ?」
相手がもし読んでいれば、この質問に対する反応によって、その人となりを評価できる。
・「面白いよね」
→すくたれ者にござる
・目を輝かせて激しくうなずく
→天稟がありおる
・黙って落涙する
→出来ておる喃
失うことから全ては始まる
正気にては大業ならず
非モテ道はシグルイなり