問:
ネットにより生じた社会的弱者を例示せよ。
答:
・Google Street Viewでヤバいものを晒されているのに気づかない(気づく手段もない)人
・2chで不当・不利益な情報を流されているのに気づかない(気づく手段もない)人
分析:
強者は弱者に対して、責任を押し付けることができる。
責任を押し付ける能力は、権力の原因でも結果でもなく、権力それ自体である。「貧乏人が飢えて死ぬのは本人の責任」という昔のブルジョアの言い草を想起せよ。
2chやGoogleは、非常に多くの人々に責任(=事後の削除申請)を押し付けている。このような存在を「社会的強者」と呼んで差し支えないだろう。「削除申請を出せ」とあしらわれる人々は、社会的強者と同じコインの裏表であり、「社会的弱者」と呼んで差し支えないだろう。
もしこのまま、社会的強者に自制心を期待するだけで何もしなければ、自制心の期待水準、いわゆる「民度」は時間とともに切り下げられていくだろう。
「悪の栄えたためしはない」? だが、2chは来年で10周年を迎える。過去には、2chが啓発的な存在といえた時期もある。しかし現在ではもはや、なにも啓発することなく、日本の民度を掘り崩しているだけの老害だ。
もしGoogle Street Viewが現在のような状態のままで10周年を迎え、さらに2chが20周年を迎えるようなことになったなら、日本の民度がどれほど低下するか、想像するだに寒気がする。
社会的強者は、安易に人に責任(=事後の削除申請)を押し付けることなく、十分な予防体制を構築しなければならない。つまり、2chやGoogleに対して誰かが、そのような責任を押し付けなければならない。誰かが――誰が?
私の思いつくかぎり今のところ、国家という権力だけがそれを実行できる。
以上の結論として、私は、この問題についての立法的解決がなされるべきだと考える。
携帯電話のソフトウェア開発現場に入った人はみな、この世に生まれてきたことを後悔するという。
なぜそんなことになったのか。どこかでボタンを掛け間違ったのか。あるいは、物理法則のように避けがたいことなのか。
この問題について考えるうえでの手がかりを、iPhoneは提供してくれている。
アップル、iPhone最新アップデートで「3G接続が向上」と主張――一部ユーザーからは「問題は解決していない」との声も
パケットは使い放題、電池はろくすっぽ持たなくてOK、JavaもFlashも抜き、等々、普通の端末には許されないことばかりの夢のような条件で作られた端末であるにもかかわらず、このありさまだ。やはり、携帯電話のソフトウェア開発には、なにか避けがたい破滅の種が仕込まれているという気がする。
2008年第18号のレビュー。
・池山田剛『好きです鈴木くん!!』新連載第1回
あらすじ:主役級4人の人物紹介。
前の長期連載からほとんど休みなしで新連載である。こんな調子でまともな構想ができるかどうか。
旋回軸を見失ってぐだぐだになりそうな予感。
評価:★★★☆☆
・蜜樹みこ『恋想のアリア』連載第2回
あらすじ:彼氏役(カノン)のアピール。婚約者登場。
画面にキレがあるので読ませるが、話は長ったらしく感じる。ページ数をもてあまし気味だ。
評価:★★★★☆
・咲坂芽亜『ギャル華道』連載第6回
あらすじ:当て馬(涼介)登場。主人公(つぼみ)の知らないあいだに、つぼみは涼介の許嫁にさせられていた。
当て馬は腹黒系か。次回以降、えげつない行動のアイディアが問われる。
評価:★★★☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第23回
あらすじ:主人公(つばき)は学校のマラソン大会をきっかけに、友人(深歩)と仲直りしようと図る。同じマラソン大会を利用して、彼氏役(京汰)の取り巻きが、つばきへの逆恨みを晴らそうと図る。つばきはピンチに陥って以下次号。
「加害者は一枚岩」という被害妄想的な話はよく見るが、いつも猛烈に気持ちが悪いので、今回のような細やかな展開(加害者側が仲間割れして暴走)は高く評価したい。
評価:★★★★☆
・車谷晴子『ぜんぶ ちょーだい』連載第4回
あらすじ:彼氏役(蓮)のアピール。
作者得意の展開。
評価:★★★☆☆
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳 2nd Season』連載第5回
あらすじ:初セックス前の引き伸ばし
どうでもいい。
評価:★☆☆☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第25回
あらすじ:彼氏役(翼)が市川先輩と同居しているのは、市川先輩の家に住み込みでバイトしているからだった。当て馬(滉士)は急速に記録を伸ばすが、翼はオスグッド病の痛みでそれどころではない。
炎症に整体は効かないような気がする。
これだけ引き伸ばしをやっているのに、市川先輩の謎をあっさり伝聞で語ってしまうのは疑問だ。
評価:★★☆☆☆
・天音佑湖『君を虜にする方法』読み切り
あらすじ:変人で人体実験好きの化学部部長(彼氏役)はいま、惚れ薬の研究をしている。主人公は事故で彼氏役にとっつかまり、惚れ薬を飲まされる。
なにかアイディアがもう一味足りない。
評価:★★★☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第17回
あらすじ:彼氏役(桃)に秘密で主人公(羽里)と当て馬(飛鳥)がデート。そこを桃に見つかる。羽里は自分の不実を嘆く。
やはり旋回軸が見当たらない。
評価:★★☆☆☆
・水瀬藍『あたしを好きって本当ですか?』読み切り
あらすじ:憧れの同級生(彼氏役)が実は密かに主人公のことを好き。と思ったら誤解だった。と思ったら誤解というのが誤解だった。
画面構成にメリハリがない。
評価:★★☆☆☆
・市川ショウ『犬じかん』最終回
あらすじ:彼氏役(潤)が自分の犬と主人公(梨紅)を敵役からかばってめでたしめでたし。
話として成立していない。
評価:★☆☆☆☆
・あゆみ凛『恋愛教習所』最終回
あらすじ:主人公は、彼氏役と教官のキスの動作が同じだという謎を追求する。謎が解けないうちに彼氏役にさらに迫られるが、主人公は教官のことが気になって受け入れられない。そこで彼氏役は、自分が教官だとバラしてめでたしめでたし。
主人公のストーカー気質という設定がほとんど生かされないままで終わってしまったのが残念だ。
評価:★★★☆☆
第54回につづく
2008年第17号のレビュー。
・蜜樹みこ『恋想のアリア』新連載第1回
あらすじ:主人公(アリア)は孤児だが、あるとき超VIPの婚約者になり、猛烈な勢いで命を狙われる身となる。アリアを守るためにボディガード(彼氏役、カノン)がやってくる。
車や初老の人物をバンバン描くところは評価したい。話はやや含みに乏しい。
評価:★★★☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第22回
あらすじ:彼氏役(京汰)の取り巻きたちが主人公(つばき)に引き続き圧力をかけるが、つばきの友人(深歩)の助けもあり、京汰が介入してつばきをかばう。それでもつばきと深歩は仲直りできない。
当て馬登場の気配はない。私の予想は外れた。思えば当て馬なしの長期連載とは珍しい。
評価:★★★☆☆
・池山田剛『うわさの翠くん!! 番外編』読み切り、過去の連載の外伝
あらすじ:登場人物たちが適当に幸せに後日譚。
どうでもいい。
評価:★☆☆☆☆
・咲坂芽亜『ギャル華道』連載第5回
あらすじ:主人公(つぼみ)は彼氏役(楓)の仕事を手伝おうとするが、うまくいかない。
彼氏役に魅力がない。
評価:★☆☆☆☆
・あゆみ凛『恋愛教習所』連載第2回
あらすじ:主人公(蘭)は教官の指導を受けるうちに、教官にも気持ちが傾く。蘭が彼氏役(北斗)と事故でキス。北斗が蘭に告白し、改めてキスしようとして、その動きが教官とそっくりなことに気づく。
さすがに第1回ほどの完成度はない。
展開が平たい。3回連載の害を感じる。
評価:★★★☆☆
・市川ショウ『犬じかん』連載第2回、次回最終回
あらすじ:主人公(梨紅)と彼氏役(潤)がいちゃつく。
露骨に捨て玉にしてきた。3回連載の害をかわす手として正しい気がする。
評価:★★★☆☆
・車谷晴子『ぜんぶ ちょーだい』連載第3回
あらすじ:彼氏役(蓮)は主人公(姫恋)にまだなにも命令しない。悪役(男、桐麻)登場。桐麻と蓮が、姫恋への命令権をめぐって争う。
登場人物が増えた。重い形なので、おそらく最善手だ。しかしここから捌ける形を作るのは難しいし、そもそもこの作者には捌きのセンスがない。
評価:★★☆☆☆
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳 2nd Season』連載第4回
あらすじ:セックスをめぐってうだうだ。
「周囲の悪意、それも嫉妬」「初めてのセックスの前にぐだぐだ」「泣き事をわめく主人公」などなど、少コミ的な見苦しいものが揃い踏み。あとは「主人公以外の女はみなゴミ、男はみな素敵」というミソジニーが揃えば完璧か。
評価:★☆☆☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第24回
あらすじ:主人公(夏美)が彼氏役(翼)と結ばれようとするが、当て馬(滉士)に引きとめられて翻心。
主人公を引きとめる当て馬の情けなさが見落とされている。このへんの見落としが、当て馬の味の薄さと直結しているような気がする。
評価:★☆☆☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第16回
あらすじ:学園祭。主人公(羽里)は当て馬(飛鳥)を憎からず思い、彼氏役(桃)に内緒のデートの約束をする。
相変わらず旋回軸が見えない。
評価:★★★☆☆
・ミヤケ円『純度100%の恋魂』読み切り
あらすじ:主人公が彼氏役に、一週間テスト期間としてつきあってほしい、と告白。テスト期間と意識しながらいちゃつく。
彼氏役に魅力がない。
評価:★☆☆☆☆
・千葉コズエ『君と恋におちる魔法で』最終回
あらすじ:彼氏役(奈津)の父親は、挑まれた勝負を論外として受けないが、店がうまくいっていないことを認めて、主人公(みこ)のやりかたで売らせる。それを見て父親は、奈津に店を半分貸すことにして終わり。
前回の老女でデウス・エクス・マキーナをやるのかと思ったが外れた。
やはり少コミではデウス・エクス・マキーナは禁じ手なのか。彼氏役と主人公のカップルが万能でなければならない、という縛りでもあるのかもしれない。
評価:★★★★☆
第53回につづく
2008年第16号のレビュー。
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第21回
あらすじ:彼氏役(京汰)の取り巻きたち(女)が、「京汰には告白してはいけない」というローカルルールを主人公(つばき)に押しつけて暴行する。つばきは、京汰との関係をバラしたのは友人(深歩)だと考え、取り巻きたちに暴行させるためにバラしたのだと考える。つばきはこの件で深歩を罵倒する。しかしこれはつばきの誤解だった。
この問題の解決をめぐって当て馬が登場してアピール、という展開を予想しておく。
採点:★★★★☆
・車谷晴子『ぜんぶ ちょーだい』連載第2回
あらすじ:主人公(姫恋)は彼氏役(蓮)をひざまづかせるために、体育祭で特別に一対一の勝負を挑む。姫恋は恋愛感情のうえでは、蓮をひざまづかせることに意義を感じていないが、プライドがそれを求める。姫恋は一対一の勝負に敗れ、蓮は姫恋に何事かを命令しようとする。
平たく進んだ。
採点:★★☆☆☆
・市川ショウ『犬じかん』新連載第1回
あらすじ:主人公(梨紅)は犬好き。彼氏役(潤)の家が大型犬を飼っているのを知って押しかけてゆき、それがきっかけで彼女になる。
読み切りに使うような話だが連載だ。途中で旋回軸を見失うと予想しておく。
採点:★★★☆☆
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳 2nd Season』連載第3回
あらすじ:彼氏役(辰牙)は当て馬(天理)に嫉妬し、「もう会うな」と言うが、主人公(珠姫)は反発する。天理が珠姫のピンチに登場してアピールし、「辰牙はお前の過去を否定している」と主張。
当て馬登場以前とはまるで別人のように切れ味のいい話だ。
話はいいのだが、彼氏役も当て馬も、アピールが粘着質で重たい。
採点:★★★★☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第23回
あらすじ:主人公(夏美)と彼氏役(翼)は遭難中、洞窟内でいちゃつく。最後に救出される。
連載を引き伸ばしたいだけにしか見えない。
採点:★★☆☆☆
・あゆみ凛『恋愛教習所』新連載第1回
あらすじ:主人公(蘭)は男とうまくいったためしがない。次の狙いは学年一の色男(北斗)だが、前途多難の予感。そんなとき主人公は、夜中の教室で「恋愛教習所」なるものが開かれているのに出くわして参加するが、友人はそんなものは知らない、ありえない、という。しかし北斗は知っていて隠しているらしい。また教習所の教官も、北斗のことを知っているらしい。
非の打ちどころがない。絵としての面白さ、小道具の効果的な使い方、主人公の欠点、彼氏役の秘密、などなどを破綻なくきっちりと盛り込んでいる。
採点:★★★★★
・咲坂芽亜『ギャル華道』連載第4回
あらすじ:彼氏役(楓)は、主人公(つぼみ)の亡母の弟子であり、亡母との約束によりつぼみを指導していると判明。つぼみは反発するが、楓はつぼみに恋を告白。
主人公の心理過程が無理筋だ。
採点:★★☆☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第15回
あらすじ:彼氏役(桃)と主人公(羽里)はラブホテルに入るが寸止め。桃が当て馬(飛鳥)に嫉妬していると告白。最終ページで、不吉な成り行きの予感を漂わせる。
ぐだぐだしている。
採点:★★☆☆☆
・白石ユキ『きっと明日もあさっても』読み切り
あらすじ:主人公と彼氏役は幼馴染。彼氏役が転校(引越しはナシ)すると聞かされて、急に彼氏役との関係を意識しはじめる主人公。
オチが弱い。
採点:★★★☆☆
・千葉コズエ『君と恋におちる魔法で』連載第5回
あらすじ:彼氏役(奈津)の父親(店のオーナー店長)が戻ってきて、店を以前の姿に戻すが、奈津はそれを不服として、父親に勝負を挑む。
彼氏役が別の店を立ち上げて終わり、と予想しておく。
採点:★★★☆☆
・華夜『ご褒美あげる・』読み切り
あらすじ:彼氏役は生徒会長で主人公は副会長。主人公は、学園祭のミスコンの優勝賞品として、彼氏役からのキスを設定する。そこで彼氏役は主人公に「お前が優勝しろ」と要求してあれこれやらせる。
画面構成にメリハリがない。
採点:★★★☆☆
・水瀬藍『だから、俺にしなよ』最終回
あらすじ:彼氏役(奏多)と当て馬(秀悟)の暴力対決を主人公(陽菜)が食い止め、和解させる。
釈然としなさ満点。「なるほど、こうか」と腑に落ちるような点がまったくない。
採点:★☆☆☆☆
第52回に続く
2008年第15号のレビュー。
・車谷晴子『ぜんぶ ちょーだい』新連載第1回
あらすじ:主人公(姫恋)は女王様気質で、自分の崇拝者を作るのが趣味。あるとき転校したら、自分にふさわしいかもしれないと思える完璧な男(彼氏役、蓮)を見つける。そこで姫恋は蓮を自分の崇拝者にしたいと望む。
ツカミはよくても後を続けるのが難しい形だ。この作者はそういう出だしが多い気がする。
採点:★★★☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第20回
あらすじ:彼氏役(京汰)と主人公(つばき)の仲が学校で知れわたりそうになったのをきっかけに一悶着。つばきは友人(深歩)にだけ打ち明けて、京汰との和解を助けてもらう。その直後、京汰とつばきの仲がバレる。さらに、深歩が京汰を追いかけていたことが明かされる。
緊張感のある展開。次回が楽しみだ。
採点:★★★★☆
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳 2nd Season』連載第2回
あらすじ:主人公(珠姫)の幼馴染(当て馬、天理)が登場、アピール。彼氏役(辰牙)と天理が腹黒合戦、辰牙が一歩リード。
アイディアがよく練れている。
採点:★★★★☆
・咲坂芽亜『ギャル華道』連載第3回
あらすじ:主人公(つぼみ)は彼氏役(楓)のおかげで華道の楽しさを思い出す。つぼみが楓に告白。
「師範だなんてウソでした」は、主人公の覚悟をインパクトのある形で描く、秀逸なアイディアだ。
採点:★★★★☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第14回
あらすじ:夏休み、彼氏役(桃)は仕事で忙しくなかなか会えない。その隙に当て馬(飛鳥)がアピール。桃が時間を作って会いにくる。
話の旋回軸が見えない。ただの往復運動に見えてしまう。
採点:★★☆☆☆
・山中リコ『なんてバカな恋なんだ』読み切り
あらすじ:男の友人(彼氏役)のことを密かに思っている主人公。ある日ライバルが現れたのをきっかけに告白。実は彼氏役も主人公のことが好きだった。
小ネタはそれなりに見られるが、全体に魅力が乏しい。
採点:★★☆☆☆
・千葉コズエ『君と恋におちる魔法で』連載第4回
あらすじ:主人公(みこ)が友人(男、店員仲間)に恋の相談をしたら、友人は当て馬を演じて彼氏役(奈津)を煽り、行動するように仕向ける。みこが奈津に告白。
当て馬役のアイディアは面白いが、やや細い。友人の洞察力が無謬になってしまっている。
採点:★★★☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第22回
あらすじ:陸上部が海辺で合宿。市川先輩が彼氏役(翼)の家で暮らしていることが判明し、しかも主人公(夏美)はその理由を教えてもらえない。夏美が海で遭難、助けようとした翼とともに洞窟内に取り残される。
ここでやっと市川先輩を活用しにきた。手順前後の気配がありありだ。
採点:★★☆☆☆
・水瀬藍『だから、俺にしなよ』連載第10回
あらすじ:主人公(陽菜)と当て馬(秀悟)が結ばれる寸前、彼氏役(奏多)のバイク事故の連絡が入る。奏多は記憶喪失を装うが、秀悟はその企みを見抜いて、奏多との暴力対決へと突き進む。
話の旋回軸がわからない。当面の引き伸ばしを図るだけで精一杯のように見える。
採点:★☆☆☆☆
・麻見雅『運命だっていーじゃない!』読み切り
あらすじ:彼氏役はもてる男で、ハーレムのように女を集めているが、恋人はいない。あるとき学校のイベントで、主人公と彼氏役は運命のカップルということにされ、学校中が二人をくっつけようとする。やがて主人公と彼氏役はお互いを好きになる。
一目重い形。この形はデウス・エクス・マキーナを使いたいところだが、少コミでは見たことがないので、禁じ手なのかもしれない。
採点:★★☆☆☆
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』最終回
あらすじ:逞は遺書のなかで、生き延びた際の将来の希望を語る。手術の成否や術後の経過は不明のまま、夢とも現ともつかない光景のなかで、大人になった逞と繭が子供たちを遊ばせているシーンで終わり。
最後まで照の死は活用されなかった。
照はあっさり死んであっさり消えるのに、昂は脳死状態で延々と出ずっぱり。この対照からミソジニーを読み取るのは無理筋だろうか。
脳死状態の昂は社会的に死なず、照の死は逞に傷跡を残さない。こうして並べてみると、死を隠蔽しようとする薄気味の悪い媚びを感じてしまうのは私だけだろうか。
薄気味の悪いものが見られるという点では価値はあるが、そういうものを見せる芸にはなっていない。
採点:★☆☆☆☆
・藍川さき『委員長の秘メゴト』最終回
あらすじ:彼氏役(悠人)の古い友人(若頭)が悠人のところへやってくる。主人公(彩乃)が若頭となにかコソコソしているのを見て悠人が嫉妬するが、コソコソしていたのは悠人のためのサプライズパーティーの準備だった。
連載継続へと手をつなぎながら気持ちよく終わる、巧妙な展開。技術的には感心させられるが、最終回ならではの味わいには欠ける。
採点:★★★☆☆
第51回に続く
このところ忙しくてレビューを書けなかったが、4号分まとめて書いた。
まずは2008年第14号のレビュー。
・悠妃りゅう『花嫁さまは16歳 2nd Season』新連載第1回、ただし以前の連載の続き
あらすじ:彼氏役(辰牙)は自分の誕生パーティーで主人公(珠姫)を妻として披露するつもり。珠姫は辰牙の誕生日に贈り物をしたいと思い、ホテルで清掃のバイトをする。辰牙はそのホテルで誕生パーティーを開くが、当日ホテルのトイレに破壊工作が行われる。珠姫は復旧作業を請われると、破壊工作を辰牙に向けたものと考え、パーティーに遅れるのを承知で「辰牙の顔は潰させない」と復旧作業を行う。辰牙は珠姫の行動を後から知って是とする。
「いやそれは是じゃないだろう」としか思えない。パーティーの重要人物として出席することと、トイレを使用可能にすることでは、物事の優先度が違いすぎる。
評価:★☆☆☆☆
・咲坂芽亜『ギャル華道』連載第2回
あらすじ:彼氏役(楓)がアピール。主人公(つぼみ)は楓の指導を受ける気になる。
中年女性の顔が描けていない。まんがの質感はこういうところで決まるような気がする。
評価:★★★☆☆
・千葉コズエ『君と恋におちる魔法で』連載第3回
あらすじ:彼氏役(奈津)がアピール。主人公(みこ)が恋心を自覚。
食パン型の外装なのに品揃えはデニッシュ中心のパン屋はいかがなものか。
評価:★★★☆☆
・水波風南『今日、恋をはじめます』連載第19回
あらすじ:彼氏役(京汰)がアピールして仲直り。
印象的なアピールだが、前回の強引さが正当化されるわけではない。
評価:★★★☆☆
・織田綺『箱庭エンジェル』連載第13回
あらすじ:当て馬(飛鳥)がアピール、彼氏役(桃)にライバル宣言。
重い形になってしまった。飛鳥の捌きかたが難しい。
評価:★★☆☆☆
・くまがい杏子『放課後オレンジ』連載第21回
あらすじ:主人公(夏美)が風邪をひき、彼氏役(翼)と当て馬(滉士)がお見舞いにきて鉢合わせ、翼がアピール。
引き伸ばしの回。
評価:★★☆☆☆
・水瀬藍『だから、俺にしなよ』連載第9回
あらすじ:当て馬(秀悟)が主人公(陽菜)に告白、両思いに。彼氏役(奏多)がバイクで人身事故、被害状況は不明。
少コミには、「第一印象の男が彼氏役」という鉄の法則が働いているが、この作品は例外になるらしい。珍しいが、だからといって面白いというものでもない。
評価:★★★☆☆
・青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』連載第66回、次回最終回
あらすじ:手術前のいちゃいちゃ。逞は遺書を残していた。
最後までエモる気らしい。
評価:★★☆☆☆
・藍川さき『委員長の秘メゴト』連載第5回
あらすじ:彼氏役(悠人)の家業(暴力団)がらみで主人公(彩乃)が誘拐されるが、悠人がすぐに救出。
彩乃を危険にさらしたことの重みを悠人が感じていないのはどうしたものか。「誘拐でドキドキハラハラ」的な安易な考えがそのまま展開されている。
評価:★☆☆☆☆
・池山田剛『うわさの翠くん!!』最終回
あらすじ:みんな適当にめでたしめでたし。
黒歴史が終わったことを歓迎する。もちろん「少コミを読む」は終わらない。
評価:☆☆☆☆☆
・浅野美奈子『身勝手な男の子♂』読み切り
あらすじ:主人公が男を乗り換える。
作者は現在進行形の黒歴史。
評価:☆☆☆☆☆
・真村ミオ『僕らの世界で。』最終回
あらすじ:主人公(こころ)の携帯電話が壊れて彼氏役(波瑠)と連絡が取れなくなるが、波瑠の頑張りで無事に収まる。
捌けない終わり方。
評価:★★☆☆☆
第50回に続く
アットコスメ ステロイド クチコミ 削除
検閲済みの表の言論 vs 野放しの地下の言論
追記:
ビー○ン アク○ーリオのクチコミ
ビー○ン アク○ーリオのクチコミ その2